MG 17 機関銃

MG 17機関銃：第二次世界大戦を彩ったドイツ空軍の主力兵器

MG 17機関銃は、1933年、ラインメタル社によって開発された固定式航空機関銃です。第二次世界大戦において、ドイツ空軍の航空機に広く搭載され、その活躍は空戦の歴史に深く刻まれています。本稿では、MG 17機関銃の詳細な歴史と技術的な側面、そしてその運用について解説します。

開発と設計

MG 17のルーツは、スイスのゾロターン社が開発し、ラインメタル社も関わったMG 30機関銃に遡ります。MG 30と同様の作動方式を採用しながらも、ヴェルサイユ条約で禁止されていたベルト給弾方式に変更された点が大きな特徴です。この改良により、MG 17は高い発射速度を実現しました。再軍備を進めていたドイツ空軍は、MG 17を制式採用し、その航空機の固定機関銃として配備しました。

性能と運用

MG 17は、当時の航空機関銃としては高い発射速度を誇りましたが、大戦が進むにつれて威力不足が露呈しました。そのため、Bf 109E戦闘機などでは、より強力なMG FF機関銃に換装されました。1941年には、MG 131機関銃がMG 17の後継として採用され、MG 17の配備数は減少していきました。しかし、一部の航空機では終戦時まで使用され続けました。また、旋回式機関銃として知られるMG 15と異なり、MG 17は固定式として設計されました。

地上部隊での使用例も存在します。空軍地上部隊では、MG 15の後継としてMG 131を採用したことで余剰となったMG 17を、即席の銃架に搭載して使用しました。

日本におけるMG 17

日本においても、MG 17は注目を集めました。昭和13年（1938年）、大日本帝国陸軍は少数のMG 17を輸入し、「九八式固定機関銃」の仮制式として採用しました。既存の機関銃よりも高い発射速度が評価されたのです。国産化も試みられましたが、ばねの品質などの問題から量産には至りませんでした。輸入されたMG 17は、キ43（一式戦闘機「隼」）の試作機に搭載された記録が残されています。

搭載機

MG 17は、数多くのドイツ空軍機に搭載されました。その代表的な機種を以下に列挙します。

Heinkel He 51
Henschel Hs 123
Heinkel He 100
Heinkel He 112
Focke-Wulf Fw 189
Arado Ar 196
Henschel Hs 129
Messerschmitt Bf 109
Messerschmitt Bf 110
Dornier Do 17/215
Dornier Do 217
Focke-Wulf Fw 190
Junkers Ju 87
Junkers Ju 88C型（夜間戦闘機型）
Heinkel He 111
Focke-Wulf Fw 200

まとめ

MG 17機関銃は、第二次世界大戦初期においてドイツ空軍の航空機に広く採用された重要な航空機関銃でした。その高い発射速度は評価されましたが、大戦が進むにつれて威力不足が課題となり、より強力な機関銃に取って代わられました。それでも、一部の機種では終戦まで使用され、航空戦の歴史にその名を刻んでいます。MG 15やMG 131といった他のドイツ製機関銃との比較検討も、MG 17を理解する上で重要な要素となります。

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