MG5-110 (エンジン)

MG5-110 ターボシャフトエンジン

MG5-110は、三菱重工業が航空用エンジンの開発に情熱を注ぎ、最終的に民間ヘリコプター用として完成させた小型ターボシャフトエンジンです。このエンジンの開発は、1987年に始まり、850馬力を誇るMG5プロトタイプエンジンの開発へとつながりました。これにより、三菱重工業は地上での運転性能や耐久性、さらには高高度での試験を経て基本的な信頼性を確立することに成功しました。

1992年からはMG5を改修しMG5-10型へと移行し、電子制御装置であるFADECの開発も進めました。これにより、実験ヘリコプターRP-1（Rapid Prototyping One）に搭載し、地上および飛行試験を行うことで更なる性能の向上を図りました。1995年以降は、民間ヘリコプターMH2000用の量産型エンジンMG5-100の試作が開始され、1997年に日本初の型式承認を取得しました。これに続いて、1997年および1998年には出力をさらに10％向上させたMG5-110の耐久試験が実施されました。

2009年4月1日にはMG5-110に関する型式承認を得て、同年10月からMH2000への搭載および運用が始まりました。このエンジンの技術力は、日本航空宇宙学会賞技術賞や日本ガスタービン学会賞技術賞を受賞するなど、高く評価されています。

MG5シリーズには、基本型のMG5-100が存在し、それに対してさらに性能を向上させたMG5-110が開発されています。これにより、出力が増し、より高い信頼性を持つエンジンが完成しました。

また、三菱重工業は同時期に防衛省向けにOH-1観測ヘリコプター用のターボシャフトエンジンTS1も開発しており、航空分野における技術革新を進めていました。MG5-110は、三菱重工業が情熱を込めた成果の象徴であり、エンジン技術の進化を示すものとなっています。

型式

• - MG5-100: 基本型
• - MG5-110: 10%出力向上型

このエンジンは、ヘリコプターの運用において重要な役割を果たし、民間および防衛用の航空機への搭載を通じて、その性能と信頼性を証明しています。最先端のテクノロジーを支えるMG5-110は、今後の航空産業における発展に寄与することでしょう。

参考文献

• - 内田, 誠之、永島, 義弘、當山, 清彦、中西, 金千賀「ＭＨ2000ヘリコプタ用ＭＧ５－100/110ターボシャフトエンジンの開発」（PDF）『三菱重工技報』第38巻第22号、2001年、116-120頁。
• - 内田, 誠之、河合, 道雄「三菱式MG5-100ターボシャフトエンジン」（PDF）『日本ガスタービン学会誌』第26巻第101号、1998年6月、121-122頁。
• - 内田, 誠之、永島, 義弘「三菱式MG5-110型ターボシャフトエンジン」（PDF）『日本ガスタービン学会誌』第28巻第5号、2000年9月、424-425頁。

もう一度検索