MGMT

ニューヨーク州ブルックリンを拠点とするサイケデリック・ポップバンド、MGMTは、アンドリュー・ヴァンウィンガーデンとベン・ゴールドワッサーの二人を中心として活動している。彼らの前身は「The Management」というバンド名であり、現在のMGMTという名前はその略称に由来する。

バンド結成からデビューまで

バンドの起源は、二人がコネチカット州のミドルタウンにあるウェズリアン大学に進学したことに遡る。アンドリューとベンは大学の1年生であった2002年に出会い、バンド活動を開始。大学卒業後の2005年には、インディーロックバンド、オブ・モントリオールのツアーにサポートアクトとして帯同し、経験を積んだ。

2006年秋には大手レーベルのコロムビア・レコードと契約を結ぶ快挙を達成。翌2007年には、ザ・フレーミング・リップスなどを手掛けた名プロデューサー、デイヴ・フリッドマンとの共同作業により、待望のデビューアルバムの制作を開始した。

『オラキュラー・スペクタキュラー』での成功

彼らのデビューアルバム『オラキュラー・スペクタキュラー』は、まず2007年10月2日にデジタル形式でリリースされ、その後2008年1月22日にCDやLPといった物理フォーマットでも発売された。日本盤は2008年7月2日にリリースされている。

このアルバムは、メディアから高い評価を受けるとともに、商業的にも大きな成功を収めた。2010年3月時点で、アメリカでは58万枚、イギリスでは46万1千枚を超えるセールスを記録している。アルバムに収録されている楽曲「Time to pretend」の歌詞には、特定の物質の使用について触れられていることでも話題となった。

その後の作品とメンバーの変遷

デビュー作の成功を受け、バンドは次なる作品の制作に取り掛かる。2009年には、元スペースメン3のメンバーであり、ソニック・ブームとしても知られるピーター・ケンバーをプロデューサーに迎え、セカンドアルバムのレコーディングを行った。

2010年4月には、セカンドアルバム『コングラチュレイションズ』をリリース。発売前に音源がインターネット上に流出したため、急遽3月20日から公式サイトでの全曲ストリーミングが実施された。また、このアルバム発表前後からは、ツアーをサポートしていたメンバー3人が正式にバンドに加入し、MGMTは5人編成のグループとして活動することとなった。

その後、2013年にはセルフタイトルとなる3作目『MGMT』を、2018年には4作目『リトル・ダーク・エイジ』を発表し、その都度音楽性の探求を続けた。そして2024年には最新アルバム『ロス・オブ・ライフ』をリリースしている。

ディスコグラフィ（主要スタジオ・アルバム）

彼らがこれまでにリリースした主要なスタジオ・アルバムは以下の通り。

Climbing to New Lows （2005年、The Management名義）
オラキュラー・スペクタキュラー - Oracular Spectacular （2007年）
コングラチュレイションズ - Congratulations （2010年）
MGMT - MGMT （2013年）
リトル・ダーク・エイジ - Little Dark Age （2018年）
ロス・オブ・ライフ - Loss of Life （2024年）

日本での活動

MGMTはこれまで何度か来日公演を行っており、日本のファンにもそのパフォーマンスを披露している。

2008年：サマーソニック出演、単独公演（大阪、東京）
2010年：SHIBUYA-AX（ゼム・クルックド・ヴァルチャーズのオープニングアクト）、フジロック・フェスティバル出演
2011年：単独公演（名古屋、東京、大阪）
2014年：単独公演（大阪、名古屋、東京）
2018年：フジロック・フェスティバル出演
2019年：サマーソニック出演（東京、大阪）

サイケデリックなサウンドとポップなメロディを融合させた彼らの音楽は、世界中のリスナーを魅了し続けている。

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