MH02

MH02 - ホンダの小型実験機

MH02は、本田技研工業が開発した小型の実験機で、1993年3月にその初飛行が行われました。このプロジェクトで得られた研究成果は、後のHondaJetの開発に大きく寄与しています。

開発の背景

ホンダの創業者である本田宗一郎は、飛行機に対する情熱から1962年に航空機事業への参入を表明しました。この時から、ホンダは研究所内で航空機に関する研究を着々と進めてきました。1986年、和光基礎技術研究センターが設立され、ホンダの航空機開発は本格化しました。1989年にはアメリカのミシシッピ州立大学と提携、この研究機関への寄付と運営費はホンダが一手に負担しました。また、ここで飛行実験や先進的な複合材料の研究が行われました。

さらに、日本国内でも飛行機記の研究が進展すると、他の重工業メーカーから技術者の移籍があり、ホンダは優秀な人材を確保しました。これらの努力が実を結び、MH02は1993年3月に初飛行に成功しました。同機は1995年から1996年にかけて70時間に及ぶ飛行実験を行い、その後エンジンの出力を向上させた新たな改良版での実験に移行しました。

なお、このMH02に関する情報は1980年代の日米貿易摩擦の影響を受けて、詳細なデータや写真が公表されなかったため、初期のデータは限られていますが、後に一部が公開されました。

機体の特徴

MH02のキャビンは最大6人まで乗ることができる構造になっています。機体は軽量化を図るため、従来のアルミニウムではなく、ホンダが研究を重ねた炭素繊維エポキシ樹脂で作成されています。主翼は高翼型で、アメリカ航空宇宙局（NASA）でも採用されていた前進翼を採用し、機動性を高める設計が施されています。

この機体は双発エンジンを搭載していますが、その取り付け位置は主翼の上部にあり、一般的な配置とは異なっています。この構造により、アッパーサーフェスブローイング機としての特性を持つことが特徴です。軽量性の徹底した追及が功を奏し、高い機動力を実現しています。一方で、前進翼は一般的に操縦安定性が低い課題も抱えているため、MH02にも同様の問題が存在した可能性があります。

現在、MH02はツインリンクもてぎ内のファンファン・ラボに展示されており、訪問者に航空機工学の成果を実体験できる貴重な機会を提供しています。

諸元

• - 全長：11.25 m
• - 全幅：11.24 m
• - 全高：4.18 m
• - 最大離陸重量：3,629 kg
• - エンジン：プラット・アンド・ホイットニー・カナダ JT15D-1ターボファン（推力：600 kgf）× 2
• - 最大速度：654 km/h（353ノット・推定値）
• - 乗員：6名

文献

前間孝則著『ホンダジェット: 開発リーダーが語る30年の全軌跡』新潮社、2015年。

関連項目

• - MH01
• - HondaJet
• - 日本製航空機の一覧

外部リンク

• - 実験用飛行機 Honda MH02
• - ツインリンクのMH02

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