MHEG-5

MHEG-5は、ISOとIECの合同委員会であるISO/IEC JTC 1|ISO_IEC JTC 1/SC 29/WG 12（Multimedia and Hypermedia Experts Group … MHEG)によって規格化された、マルチメディア情報の表現に関する国際標準規格です。規格番号はISO/IEC 13522-5で、日本の対応規格はJIS X 4345です。

特徴

MHEG-5は、オブジェクト指向および宣言型のプログラミング言語であり、テキスト、画像、動画などのマルチメディア要素の表示方法を記述するために用いられます。MHEG-5で作成されたアプリケーションは、複数の「シーン」で構成され、ユーザーはシーン間を移動することで操作を行います。各シーンは、表示するテキストやグラフィックの要素のリストと、事前に定義されたイベントに応じた実行手続きコードから構成されます。イベントには、キーの押下、タイマーのタイムアウト、コンテンツのメモリへのロード完了などが含まれます。コードは、「基本動作」を要素として構成され、例えば、テキストオブジェクトに表示されるテキストの変更や、ビデオクリップの再生開始といった動作が可能です。

MHEG-5には、アプリケーション開発者が利用できるクラス階層が存在しますが、オブジェクト指向プログラミング言語とは異なり、新しいクラスを定義することはできません。規格では、MHEGアプリケーションの表現方法として、テキスト表現とASN.1による表現の2種類が定義されています。通常、アプリケーションはテキスト表現で記述され、MHEGエンジンによってASN.1形式にエンコードされます。

MHEG-5は、双方向番組サービスのようなアプリケーションの開発に適しています。

プロファイル

MHEG-5は単なる言語であり、特定の環境で使用するためには、プロファイル化が必要です。例えば、イギリスやニュージーランドでは、デジタルテレビの双方向番組サービスを提供する際にMHEG-5が用いられており、それぞれのプラットフォームにおける使用方法は、UK Profile of MHEG-5や、ニュージーランドの規定としてそれぞれ定められています。

香港では、無綫電視（Television Broadcasts Limited）がデジタル放送チャンネルでの双方向サービスにMHEG-5ミドルウェアを採用しています。

MHEG-5の放送プロファイルは、ETSIによってETSI standard ES 202 184として標準化されています。

日本では、BSデジタル放送でのデータ放送への採用が検討されましたが、最終的には採用は見送られました。

関連項目

MHP - MHEG-5と競合する規格

外部リンク

MHEG 公式サイト
IMPALA (International MHEG Promotion Alliance)
Hello World in MHEG-5
ASN.1 encoder/decoder + source code
Open Source MHEG-5 engine for Linux

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