双方向番組

双方向番組とは

双方向番組とは、視聴者が番組に能動的に参加できるテレビ番組のジャンルを指します。これは、従来の放送局から視聴者への一方通行のコミュニケーションではなく、視聴者が番組のコンテンツに対して意見を表明したり、クイズに参加したりすることで、双方向的なやり取りを行うことを特徴とします。インタラクティブ番組とも呼ばれ、視聴者の参加によって番組が進行する点が魅力です。

双方向番組の主な手段

双方向番組を実現する主な手段は以下の通りです。

電話:
番組側が用意した電話番号に電話をかけることで番組に参加する方法です。視聴者の投票を競う形式や、視聴者と直接電話をつないで意見を聞く形式などがあります。アメリカの「アメリカン・アイドル」のような視聴者参加型のオーディション番組もこの一種です。

インターネット:
パソコンや携帯[[電話]]からインターネットを経由して番組に参加する方法です。番組に対する意見や感想を送ったり、大喜利の回答を送ったり、クイズに答えたりすることが可能です。TwitterなどのSNSを利用して、視聴者のメッセージを募集する番組も増えています。

デジタル放送:
デジタル放送のデータ放送機能を利用して番組に参加する方法です。テレビのリモコンを使って、クイズに答えたり、アンケートに投票したりすることができます。番組側は、集計されたデータを番組内で発表し、視聴者の参加を促します。

日本における双方向番組

日本では、以前から電話やインターネットを利用した双方向番組が多く制作されてきました。初期には、NTTのテレゴングやテレドームを使った投票形式が人気を博しました。また、インターネットを利用した番組では、視聴者からの大喜利の回答を募集したり、Twitterでメッセージを募集したりする番組が登場しています。

主な番組例

世界・ふしぎ発見!（TBSテレビ）:
クイズの正解者を予想し投票する企画を実施。
めざましテレビ（フジテレビ）:
「めざましどっち?」コーナーで2択の質問に投票。
着信御礼!ケータイ大喜利（NHK総合）:
大喜利のお題に対して回答を募集。
Shibuya Deep A（NHK総合）:
番組からのお題に対し回答を募集。
双方向クイズ天下統一（NHK総合）:
番組内で出題されるクイズに解答。

デジタル放送の双方向機能

デジタル放送では、テレビのリモコンのdボタンを押すことで、双方向機能を利用することができます。視聴者は、クイズに答えたり、アンケートに投票したりすることで番組に参加できます。この機能は、デジタルテレビに接続された電話回線やインターネット回線を通じて番組側にデータを送信することで実現します。ただし、クイズに答えるだけであれば、データ放送の機能を利用するのみで、必ずしも双方向機能を利用する必要はありません。

主な番組例

NHK紅白歌合戦（NHK総合・BS4K・BS8K）:
視聴者審査員として紅組・白組に投票。
オールスター感謝祭（TBSテレビ系列）:
クイズや予想ゲームに参加。
天才てれびくんhello,（NHK Eテレ）:
一部曜日で実施。
ビットワールド（NHK Eテレ）
沼にハマってきいてみた（NHK Eテレ）:
火曜日の生放送で実施。
おはよう朝日です（朝日放送テレビ）:
クイズコーナーで実施。
侍プロ野球（BS-TBS）:
勝敗予想などのゲームを実施。

BSデジタル放送と双方向番組の衰退

BSデジタル放送の開始当初は、双方向機能を活用した番組が多数制作されました。しかし、放送開始から数年後には、これらの番組はほとんど終了してしまいました。その背景には、以下のような原因が考えられます。

BSデジタル普及の遅れ:
BSデジタルの普及率が予想を下回った一方で、インターネットや携帯[[電話]]の普及が進んだため、視聴者の参加手段が多様化しました。

個人情報の保護:
双方向会員制度による個人情報漏洩事件が起こり、個人情報保護法が成立したことで、会員制度自体が消滅しました。これにより、双方向番組の制作が困難になりました。

放送事故:
番組とデータ放送の連動に不具合が発生しやすく、放送事故につながることがありました。このようなリスクから、双方向番組が敬遠されるようになりました。

視聴者層の違い:
BSデジタル放送の視聴者層が高齢化し、若者や家族層をターゲットにしたクイズ番組が減少しました。

マンネリ化:
番組内容のマンネリ化が進み、視聴者の関心が薄れてしまいました。また、クイズマニアの参加により、新規視聴者が参加しにくくなったという側面もあります。

* 電話料金:
初期のBSデジタル受信機はインターネットに対応していなかったため、電話回線を利用する必要がありました。電話回線では、通信料金がかかるため、視聴者の負担になっていました。

欧州における双方向番組

欧州では、1990年代後半からインタラクティブテレビサービスが積極的に導入されてきました。イギリスのBBCやスカイデジタル、フランスの各局では、双方向サービスを展開し、視聴者の参加を促す取り組みが行われています。

まとめ

双方向番組は、視聴者が番組に参加できる魅力的なテレビ番組のジャンルです。デジタル放送の普及とともに登場しましたが、様々な要因により減少傾向にあります。しかし、視聴者参加型の番組のニーズは依然として高く、インターネットやSNSを活用した新たな双方向番組の登場が期待されます。

もう一度検索