MHTML

MHTML (MIME Encapsulation of Aggregate HTML) について

MHTMLは、MIME（Multipurpose Internet Mail Extensions）のマルチパート機能を活用し、HTML文書とその関連リソース（画像、動画など）を一つのデータとしてまとめるフォーマットです。主に電子メールでの利用を想定していましたが、ウェブページのアーカイブ形式としても広く利用されています。

概要

MHTMLは、RFC 2110で定義され、その後RFC 2557によって改訂されました。現代のウェブページは、HTMLファイルと、URIで参照される画像や動画など複数のリソースで構成されています。これらのリソースは通常、別々のデータとして存在します。

初期のHTMLメールでは、HTML本体のみしか扱うことができませんでした。しかし、MHTMLはMIMEのマルチパートを用いることで、HTMLとその他のリソースを一つにまとめ、完全なHTMLマルチメディア文書をメールで転送可能にしました。MIME形式に準拠しているため、US-ASCII以外のテキストデータやバイナリデータ（画像など）は、Quoted-printableまたはBase64でエンコードされます。現在では、多くのHTMLメール対応ソフトウェアがMHTMLをサポートしています。

電子メール以外での利用

RFC 2557では、MHTMLが電子メール以外のプロトコル（HTTP、FTPなど）でも利用可能であり、完全なHTML文書のアーカイブとして保存できることが示唆されています。

1999年3月には、Internet Explorer 5がウェブページのアーカイブ形式としてMHTMLを採用しました。これはRFC 2557の発行時期とほぼ一致します。MHTMLでウェブページを保存できる実装には、Internet Explorerの他、Microsoft Office（Word、Excel、PowerPoint、Access）、Opera、Vivaldiなどがあります。

Mozilla FirefoxやGoogle Chromeでも、設定変更や拡張機能の導入によりMHTMLを扱うことができます。ただし、ブラウザの大規模なアップデートにより拡張機能が一時的に使用できなくなる場合があります。例えば、Firefoxの拡張機能「UnMHT」は、Firefox 57に対応していない時期がありました。

MHTMLの利点

• - ファイルの一元化: 複数のファイルに分割されたHTML文書と関連リソースを、一つのファイルにまとめられるため、管理や共有が容易になります。
• - オフラインでの閲覧: ウェブページをMHTMLで保存することで、インターネット接続がない環境でも閲覧できます。
• - 完全な状態での保存: ウェブページのレイアウトやコンテンツをそのまま保存できるため、後でオリジナルを復元する際に便利です。

注意点

• - 拡張機能への依存: 一部のブラウザでは、MHTMLの利用に拡張機能が必要になる場合があります。拡張機能がアップデートに対応していない場合、使用できないことがあります。
• - ファイルサイズの肥大化: 画像や動画などのリソースを埋め込むため、ファイルサイズが大きくなる場合があります。

まとめ

MHTMLは、ウェブページを一つのファイルにまとめて保存・共有するための便利なフォーマットです。電子メールだけでなく、ウェブページのアーカイブにも活用できます。ただし、利用するブラウザや拡張機能によっては、制約がある場合もあります。

関連項目

• - HTML
• - MIME

外部リンク

• - RFC 2110 (旧)
• - RFC 2557 (新)
• - MHTML - Sending HTML in E-mail
• - mozdev.org - Mozilla Archive Format

もう一度検索