MI-5 英国機密諜報部

MI-5 英国機密諜報部：英国スパイ・ドラマの金字塔

2002年から2011年にかけてBBC Oneで放送されたイギリスのスパイ・ドラマ『MI-5 英国機密諜報部』（原題：Spooks）は、高い評価と人気を獲得したシリーズです。その魅力は、スタイリッシュな映像、緊迫感あふれる展開、そして個性豊かな登場人物たちの織りなす物語にあります。本稿では、シリーズの概要、各シリーズのあらすじ、登場人物、制作、そして派生作品まで、多角的に『MI-5 英国機密諜報部』の魅力に迫ります。

シリーズ概要

『MI-5 英国機密諜報部』は、ロンドンにあるMI5本部「テムズハウス」を舞台に、対テロ部門の精鋭たちが、国家の危機に立ち向かう姿を描いています。全10シリーズ、86話からなる本作は、リアルな描写とスリリングな展開で、多くの視聴者を魅了しました。各エピソードは、衝撃的なラストシーンで幕を閉じ、独特な効果音と共に画面が白黒反転する演出が特徴的です。

各シリーズのあらすじ

第1シリーズ: スタイリッシュな映像と、テンポの速い展開で話題を呼び、平均750万人の視聴者数を記録。しかし、第2話で描かれた登場人物の残酷な殺害シーンは、放送基準委員会に多数の苦情が寄せられる事態となりました。

第2シリーズ: 第1シリーズの成功を受けて、全10話に拡大。新キャラクターが登場し、クライマックスは衝撃的な展開で幕を閉じました。平均視聴者数は710万人でした。

第3シリーズ: MI6から派遣された新キャラクター、アダム・カーターが登場。物語の中心人物であるトムの失踪事件の調査や、組織内部の葛藤が描かれました。平均視聴者数は580万人と減少。

第4シリーズ: 2部構成の第1話でスタート。放送時期と内容の類似性から、ロンドン同時爆破事件との関連性が話題となりました。視聴者への配慮から、放送前に注意喚起がなされました。平均視聴者数は605万人と増加。

第5シリーズ: イギリス政府、MI6、マスコミによるクーデター未遂を描いたストーリー。テロリズムへの対応を巡り、民主主義の危機が描かれています。平均視聴者数は600万人でした。

第6シリーズ: イランの核兵器開発計画阻止を軸に、アメリカ、ロシア、MI5といった複数の組織が絡む複雑な国際陰謀が展開されます。平均視聴者数は560万人とシリーズ最低を記録。

第7シリーズ: アダム・カーターの死をきっかけに、ロス・マイヤーズがセクションリーダーに就任。ロシアのスパイとの激しい攻防が描かれます。衝撃的なラストシーンで幕を閉じました。

第8シリーズ: ハリー・ピアースのロシア捕虜からの脱出劇からスタート。新たな陰謀組織「ナイチンゲール」が登場し、ロスの壮絶な死でシリーズは幕を閉じます。

第9シリーズ: 新たな登場人物が登場。ルーカスの過去や、組織内部の葛藤が描かれ、ハラハラドキドキの展開が続きます。クライマックスはルーカスとハリーの対決シーンで、衝撃的な結末を迎えます。

第10シリーズ: 新たな諜報員エリン・ワッツらと共に、イギリスとロシアを戦争に巻き込もうとする陰謀が描かれます。ハリーとルースの幸せな未来は、悲劇的な結末を迎えます。最終シリーズとなり、ハリーはMI5に復帰することを決意します。

映画『SPOOKS スプークス/MI-5』

2015年に公開された映画『SPOOKS スプークス/MI-5』は、テレビシリーズの続編。ハリー・ピアースをはじめとするおなじみのキャラクターが登場し、新たな脅威に立ち向かいます。

登場人物

本作には数多くの魅力的な登場人物が登場します。ここでは主要な登場人物について紹介します。

ハリー・ピアース: MI5対テロ部門の司令官。シリーズを通して中心人物として活躍します。
トム・クイン: セクションDの部門長。重要な任務を危険に晒したことから早期退職します。
アダム・カーター: セクションDの部門長。テロリストの襲撃で命を落とします。
ロス・マイヤーズ: セクションDの部門長。爆破テロで命を落とします。
ルーカス・ノース: セクションDの部門長。裏切り者としてハリーと対決し、命を落とします。
ルース・エヴァーシェッド: 情報分析官。ハリーを支え続けます。最終話で命を落とします。
* その他: 多くの個性的な登場人物が、ストーリーを彩ります。

制作

『MI-5 英国機密諜報部』は、脚本家デイヴィッド・ウォルステンクロフトによって創作され、Kudosによって制作されました。多くの著名なゲスト俳優の参加も、シリーズの人気に貢献しました。

ロケーション

ロンドンの象徴的なランドマークが数多く登場します。MI5本部であるテムズハウスは、フリーメイソンホールを使用して撮影されました。

放映と配信

スーパー16mmフィルムで撮影された本作は、BBC iPlayerで全エピソードが配信されています。

家庭用メディア

DVDやiTunesで、シリーズ全話がリリースされています。

受賞とノミネート

本作は、数々の賞を受賞・ノミネートされました。

音楽

シリーズの音楽は、ジェニー・マスケットとポール・レナード＝モーガンが担当しました。サウンドトラックもリリースされています。

さらなる展開

『MI-5 英国機密諜報部』は、スピンオフ作品『Spooks: Code 9』、数々の書籍、ビデオゲームにも展開されました。

まとめ

『MI-5 英国機密諜報部』は、緻密な脚本、緊迫感あふれる演出、そして魅力的なキャラクターたちが織りなす、傑作スパイ・ドラマです。その高い評価と人気は、多くの視聴者の心を掴んだ証と言えるでしょう。

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