MIAムーバー

MIAムーバー：マイアミ国際空港の自動旅客輸送システム

MIAムーバーは、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミ都市圏の玄関口であるマイアミ国際空港（MIA）で、2011年9月9日に開業した自動案内軌条式旅客輸送システムです。このシステムは、マイアミ・インターモーダル・センター（MIC）の一部として、マイアミ国際空港のメインターミナル、マイアミ中央駅、そしてレンタカーセンター間の旅客輸送を効率化するために導入されました。

導入の背景

2007年当時、マイアミ国際空港へのアクセス改善策として、既存のメトロレールシステムの拡張ではなく、空港ターミナルへのより直接的なアクセスを提供するピープルムーバーシステムの建設が優先されました。メトロレールはマイアミ中央駅で接続されるものの、空港ターミナルへのアクセスは直接的ではありませんでした。このため、空港ターミナルと主要な交通拠点との間の接続を強化するMIAムーバーの建設が計画されました。

2009年3月2日、正式にプロジェクトが発表され、建設が開始されました。MIAムーバーは、2020年までに1日あたり48,000人の利用客を輸送することを目標としていました。建設費用は、マイアミ・デイド郡航空局（MDAD）の資本改善プログラムとフロリダ州運輸局（FDOT）からの資金を組み合わせて賄われました。デザインビルド方式が採用され、迅速な建設が実現しました。

システム概要

総工費約2億5,900万ドルを投じて建設されたMIAムーバーは、MIA駅から東へ約2.04kmの連絡路を走行し、中央大通りとNW21番街の交差点から北にカーブしてMIC駅に到達します。高架コンクリート製のガイドウェイは、平均12mの上り勾配で、37m間隔のコンクリート橋脚で支えられています。車両には、三菱重工業製のクリスタルムーバーが採用されています。

駅一覧

MIAムーバーには、以下の2つの駅があります。

1. MIC駅
- マイアミ・インターモーダル・センターの4階に位置し、路線の東側の終点駅です。
- メトロレール、アムトラック、トリ＝レール、バス、タクシーなどの公共交通機関が集まるマイアミ中央駅へのスカイウォークによる接続に加え、レンタカーセンターへの直接アクセスも可能です。
- この駅は、フロリダ州運輸局（FDOT）によって建設されました。

2. MIA駅
- マイアミ国際空港のメインターミナルビル3階、フラミンゴ＆ドルフィン駐車場との間に位置する、路線の西側の終点駅です。
- マイアミ・デイド郡航空局（MDAD）によって建設されました。
- APM車両の保管およびメンテナンス施設は、MIA駅の下にあります。

技術と設計

MIAムーバーの建設には、最新の技術と設計が用いられました。コンクリート製のガイドウェイは、耐久性と安定性を確保し、三菱重工業のクリスタルムーバーは、快適で信頼性の高い輸送を提供します。このシステムは、空港利用者だけでなく、マイアミ都市圏全体の交通ネットワークの効率化にも貢献しています。

まとめ

MIAムーバーは、マイアミ国際空港における重要な交通インフラであり、空港と主要な交通拠点との接続を強化することで、利用者の利便性を向上させています。このシステムは、マイアミ都市圏の公共交通機関における持続可能で効率的なソリューションの一例と言えるでしょう。

参考文献

• - Schroeder, B.M. "MIA Mover APM: A Fixed Facilities Design-Build Perspective." Automated People Movers, 2009: Connecting People, Connecting Places, Connecting Modes: Proceedings of the Twelfth International Conference, May 31-June 3, 2009 : Atlanta, Georgia. Ed. Robert R. Griebenow. American Society of Civil Engineers.

関連項目

• - 新交通システム

もう一度検索