クリスタルムーバー

クリスタルムーバーについて

クリスタルムーバーは、三菱重工業が開発した新しい交通システムです。このシステムは、日本製の自動無人運転列車(AGT)として、本格的に海外市場向けに設計されています。主に新設の鉄道路線や空港内の交通機関として導入され、多くの国で利用されています。

主な導入事例

日本国内の導入

日本では、埼玉新都市交通やゆりかもめ、東京都交通局の舎人ライナーなどでクリスタルムーバーが導入されています。例えば、埼玉新都市交通では1983年の開業以来使用されている1000系を置き換えるため、2015年から2016年にかけて2020系が導入されました。また、広島高速交通では6000系や1000系の増備を目的に、クリスタルムーバーの車両が24編成運用されています。

海外での導入

国際的にもクリスタルムーバーの導入が進んでいます。シンガポールでは、SBSトランジットが2003年からLRTセンカン線と2005年からプンゴル線でこのシステムを運行し、計41両が運用されています。マカオでは、2010年に澳門軽軌鉄路の導入が決定され、三菱重工業が46億8,800万パタカで受注し、2019年から2020年にかけて使用開始される予定となっています。

空港での活用

クリスタルムーバーは空港の交通手段としても広く使われており、以下の空港で運行されています。

• - アメリカ合衆国：ワシントン・ダレス国際空港のエアロトレイン
• - アメリカ合衆国：ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港のATLスカイトレイン
• - シンガポール：チャンギ国際空港のスカイトレイン
• - 中国：香港国際空港の新交通システム
• - アメリカ合衆国：マイアミ国際空港のMIAムーバーおよびスカイトレイン
• - 大韓民国：仁川国際空港のシャトルトレイン
• - アラブ首長国連邦：ドバイ国際空港のエアロスカイ

車両仕様

クリスタルムーバーは複数のモデルを持ち、構成としては単行運転が主ですが、2～4両の連結運行も可能です。定員は105人で、車両の寸法は長さ11,840mm、幅2,690mm、高さ3,615mmに設計されています。車両重量は14.9トンで、直流750Vの第三軌条方式を採用しています。また、高速運転にも対応したモデルも存在します。

技術的特徴

クリスタルムーバーは、横ガイドの2軸4輪ステアリングシステムを採用しており、設計最高速度は80km/hで、最高の運転速度は70km/hとなります。加速は1m/s²、減速も同様の値で設計されています。さらに、ブレーキシステムには回生ブレーキが搭載されており効率的な運行が実現しています。

競合他社

クリスタルムーバーは、ボンバルディアのInnovia APM 100および200と競合しています。これらの車両も空港の自動交通システムとして導入が進んでおり、特にInnovia APM 200はクリスタルムーバーと直接競合しています。

クリスタルムーバーは、その先進的な技術と多様な運用実績により、今後も公共交通の重要な要素として成長が期待されます。

もう一度検索