MOBIRY DAYS

MOBIRY DAYS：広島電鉄の新たなQRコード決済システム

概要と特徴

MOBIRY DAYS（モビリーデイズ）は、広島電鉄が2024年7月から導入する新しい電子決済システムです。このシステムは、従来のPASPYを代替し、広島県内の様々な交通機関で使用される予定です。特に注目すべきは、これまでのICカードやプリペイドカードに依存する「カードベースドチケッティング（CBT）」方式ではなく、クラウドを利用した「アカウントベースドチケッティング（ABT）」方式を採用している点です。

ABT方式では、利用者の情報をクラウドサーバーで管理します。これにより、車両側の端末ではID番号の読み取りのみが行われ、決済は無線でクラウドサーバーと行われます。この仕組みは、導入コストの削減やトランザクションの迅速化を可能にします。

導入の背景

広島電鉄は1993年から「バスカード」という磁気式プリペイドカードを導入し、2008年には非接触型IC乗車カード「PASPY」に移行しました。しかし、PASPYの維持には費用がかさむため、社長の椋田昌夫は2021年にQRコード決済への移行を発表しました。この決定により、PASPYのサービスは終了することとなりました。

2022年、広電はNEC、レシップと共同で新たな乗車システムの開発に取り組むことを発表し、2024年10月を目指してMOBIRY DAYSの開発を進めました。2023年10月、サービス名とその詳細が公表され、新システムが広く周知されることとなりました。

導入スケジュール

MOBIRY DAYSは2024年の7月20日に高速バスや一般路線バスで先行導入され、8月22日にはiOS版アプリが提供開始され、9月7日からは広島電鉄の電車やバス全線でもサービスが開始される予定です。これにより、広島県内での移動がより便利になります。

利用者への影響

MOBIRY DAYSは、従来のPASPYとは異なり、ICOCAなどの他の交通系ICカードとの互換性はありません。しかし、ICOCAの簡易型端末を導入し、PASPYのサービス終了後も利用できるようにする予定です。利用者は、会員登録を行った後、スマートフォンアプリを通じて決済を行います。

会員登録と決済方法

MOBIRY DAYSを利用するには、専用のウェブサイトやアプリで会員登録を行う必要があります。登録時にはメールアドレスとクレジットカードの情報を設定することが求められます。また、チャージ方法としてクレジットカードや銀行口座からの引き落としが可能ですが、現金チャージは指定された窓口で行う必要があります。

利用時には、アプリのQRコードやICカードを車両端末にかざして決済を行いますが、一つの会員情報でアプリとICカードを同時に使用することはできません。この点に注意しながら、効率的な移動手段を提供するMOBIRY DAYSは、地域の交通機関の利便性向上に貢献することでしょう。

今後の展望

MOBIRY DAYSは、広島県内での広範な導入が計画されており、交通機関のデジタル化が進んでいます。このシステムによって、より多くの利用者が便利に交通機関を利用できることが期待され、広島の交通インフラの発展に寄与することでしょう。

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