PASPY

PASPY（パスピー）

PASPYは、広島県を中心に広島電鉄やバス事業者で利用される非接触型ICカードです。このカードは、便利な乗車体験を提供するために設計されており、最初に紹介されたのは1993年に導入されていた磁気式プリペイドカードを改良した形です。PASPYという名前は、「PASS（乗車券）」、「HAPPY（幸せ）」、「SPEEDY（速さ）」の3つの英単語から由来しています。これにより、利用者はスムーズな移動を楽しむことができるようになっています。

技術と機能

PASPYは、ソニーのFeliCa技術を基盤にしており、複数の機能を併せ持つことが特徴です。例えば、マイレージ機能や社員証、学生証としての役割を最大3つまで追加できます。広島県バス協会がこのカードの商標管理を行っており、2022年までに190万枚以上発行されているのが実績です。電子マネー機能としては、ひろぎんPASPYがあり、これにはポストペイ型電子マネー「QUICPay」や地域電子マネー「HIROCA」が組み込まれています。

導入の経緯

広島地区では、1993年からの磁気カードに代わり、セキュリティが向上したICカードの導入が必要が感じられるようになりました。そのため、国土交通省中国運輸局の主導の下、広島県内の9つの交通事業者が協力してPASPYの導入を検討し、実現に至りました。これにより、広島の交通ネットワークは一元化され、利便性が向上しました。

マスコットキャラクター

PASPYのマスコットキャラクターとして「くまぴー」が存在します。彼はツキノワグマで、中国山地から降りてきたという設定です。くまぴーは、サングラスとPASPYロゴ入りの白いマントをまとい、スパイとしての職業を持つユニークなキャラクターです。

利用可能な事業者

現在、PASPYは複数の鉄道会社やバス会社で使用されています。具体的には、広島電鉄（電車やバス）、広島バス、広島交通、JRバス中国、鞆鉄道など多岐にわたります。それぞれの会社は、特定の路線でPASPYを受け入れ、乗客の便宜を図っています。

特長と割引サービス

PASPYカードを利用すると、現金支払い時に比べて運賃が10%割引される場合があります。また、バスや電車間の乗継割引などもあり、これにより利用者はスムーズに移動できる仕組みが整えられています。

時代の変化

PASPYは導入から長年にわたり広島の交通便益を支えてきましたが、2025年までにサービスを終了する予定です。その後は、ICOCAなど他のICカードシステムに移行していくことが明らかにされています。この変更は、交通系ICカードの全国的な相互利用を促進し、広島の交通システムの現代化を図るものでしょう。

まとめ

PASPYは、広島県における非接触型ICカードの先駆けとして、地域の交通において重要な役割を果たしています。利用者に便利でセキュアな支払い環境を提供するその機能や、地元企業との協力によって運営される姿勢は、他の地域でのICカード導入のモデルともなっています。

もう一度検索