MONOCHROME (吉田美奈子のアルバム)

アルバム『MONOCHROME』の概要

吉田美奈子が1980年10月21日にリリースした『MONOCHROME』は、彼女の通算7作目となるスタジオアルバムです。本作は彼女自身の音楽スタイルを再認識させる重要な作品であり、プロデューサーとして初めての試みでもあります。前作『LET'S DO IT -愛は思うまま-』から約2年の間、吉田はオムニバス・アルバム『INSTANT RASTA』への参加や、山下達郎への楽曲提供などの活動を行っていたが、個人のアルバム制作は行っていませんでした。

制作背景

吉田美奈子は、前作の制作が外的な要因に影響を受けていたことを回顧し、自分のアートを取り戻すために『MONOCHROME』に取り組むことを決めました。「LET'S DO IT」制作時、彼女はロサンゼルスでの制作契約に戸惑い、日本でデモテープを作成し、実際のアルバム制作はほぼそのデモを基に進められたことを語っています。これにより、自身の音楽活動が一時的に止まったことを受け、内面的なものに戻る機会を求めて、新たなアルバムの制作に挑みました。

プロデュースと制作手法

『MONOCHROME』は、吉田自身の歌声とピアノを中心にした作品で、少人数でのレコーディングが行われました。吉田は、アルファレコードの設立により制作のプレッシャーが軽減され、音楽に集中することができたと述べています。彼女は、800万円の予算でアルバムを制作するよう依頼され、これに応える形で制作を始めました。この経験を通じて、音楽の制作から予算管理、ジャケットのアート・ディレクションまでを一手に担うこととなりました。

収録曲と楽曲の特徴

アルバムには以下の楽曲が収録されていますが、特に印象的なトラックについても触れます。

• - SIDE A

- TORNADO
- RAINY DAY
- BLACK MOON
- SUNSET

• - SIDE B

- AIRPORT
- MIRAGE
- MIDNIGHT DRIVER
- 午後 AFTERNOON

特に、アルバムの中で唯一の共作曲である「RAINY DAY」は、山下達郎が作曲を担当しており、彼のアルバム『RIDE ON TIME』にも収録されています。また、「TORNADO」は、後のライブアルバム『IN MOTION』で大幅にアレンジが施されて再収録されるなど、ライブでのパフォーマンスにも強い影響を与えました。

アルバムの意義

『MONOCHROME』は、吉田美奈子の音楽的自己探求の象徴的な作品であり、彼女がプロデューサーとして新たな表現を追求した結果、シンプルながらも深みのあるアルバムに仕上がっています。この作品を通じて、聴く者は彼女の音楽に対する想いや、内面的な探求の旅を感じ取ることができるでしょう。音楽よりも個人的な表現としての側面が強調され、吉田美奈子のアーティストとしての成長を象徴しています。

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