MOON CHILD (映画)

『MOON CHILD』

『MOON CHILD』（ムーンチャイルド）は、2003年に松竹の配給により日本で公開された近未来SF映画です。本作は、音楽で独特の世界観を表現してきたGacktが自らストーリーの原案を手がけ、音楽と映像を融合させた作品となっています。また、L'Arc〜en〜Cielのボーカルhydeや台湾の人気スター、ワン・リーホンがキャストに名を連ねています。

ストーリー概要

物語の舞台は、アジアの片隅に位置する移民都市マレッパで、2014年の背景として、日本の経済が崩壊し、多くの人々が異国へ移住を余儀なくされていた状況を描写しています。このマレッパも、そんな移民が流れ込み、人種が交錯する欲望と暴力が支配する街へと変わっていきました。

主人公の少年、ショウ（Gackt）は、日本人の移民としてこの街に住んでいます。彼はトシ（山本太郎）や兄の信士（寺島進）と共に、現地のマフィアと絡むトラブルに巻き込まれていますが、その時に謎の人物であるケイ（HYDE）に助けられます。ケイの正体は人血で生きるバンパイアで、彼との出会いがショウの運命を大きく変えていくのです。

ショウとケイは次第に力を合わせてマレッパでのし上がることを目指します。そんな中、トシや台湾人の孫（ワン・リーホン）も加わり、彼らの友情が深まっていきます。特にショウは孫の妹イーチェ（ゼニー・クォック）と恋に落ち、美しい思い出を築いていく日々に入ります。しかし、その平穏な日々は長続きしません。

ある夜、トシが銃撃され、ショウは彼を助けようとしますが、ケイの正体が露見し、彼は姿を消してしまいます。さらに、孫は「同じ台湾人だから」という理由で地元の組織に鞍替えし、ショウが立ち上げた組織との対立が生まれます。そして、イーチェが不治の病にかかるという悲劇も重なります。

こうして、ショウと孫の組織間の抗争が激化し、ついにはかつての友同士が銃口を向け合わせる事態に陥ります。彼らの絆がどのように試され、どのような結末を迎えるのかが、物語の大きな見どころとなっています。

主演キャスト

• - ケイ：HYDE
• - ショウ：Gackt（幼少期：本郷奏多）
• - 孫：ワン・リーホン
• - イーチェ：ゼニー・クォック
• - トシ：山本太郎
• - 信士：寺島進
• - ハナ：鈴木杏
• - ローリエ：石橋凌
• - ルカ：豊川悦司

受賞歴

2003年には、ブルーリボン賞の助演男優賞を山本太郎が受賞しました。

関連書籍

本映画のアナザーサイドストーリーとして、Gackt著の『MOON CHILD 鎮魂歌【レクイエム】篇』が2003年10月30日に角川書店より発刊されています。この書籍は映画の世界観をさらに掘り下げた内容となっています。

『MOON CHILD』は、音楽と映像の独自の融合が生み出す魅力的な作品であり、多くのファンを惹きつけているのです。

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