MOON GOLD

『MOON GOLD』（ムーン・ゴールド）は、日本のロックバンドthe pillowsが1991年に発表したメジャーデビューアルバムであり、彼らの音楽キャリアにおける重要な転換点となった作品です。このアルバムは、the pillowsが『the PILLOWS』名義で発表した作品であり、実質的には第一期ピロウズの4作目にあたります。

アルバムタイトルは、ボーカルの山中さわおが「MOONという言葉を使いたかった」というシンプルな理由から名付けられました。このタイトルは、彼らの音楽にどこか神秘的で、時に儚い雰囲気を加える要素となっています。

ポニーキャニオンとの契約時、「1stアルバムはロンドンレコーディング」という条件がありましたが、湾岸戦争の影響により、この計画は次回へと見送られることになりました。この出来事は、バンドの初期の活動に大きな影響を与え、その後の彼らの音楽性にも反映されているかもしれません。

アルバムのレコーディングで最初に録音された楽曲は「FOREIGNER」です。この曲は、初期のピロウズの音楽の特徴をよく表しており、疾走感のあるサウンドと、山中さわおの独特なボーカルスタイルが印象的です。

「雨にうたえば」はアルバムに先行してシングルとしてリリースされ、ファンの間で人気を博しました。この曲は、ピロウズの初期の代表曲の一つであり、多くのファンにとって思い出深い曲となっています。また、このアルバムに収録されている「WANT TO SLEEP FOR…」は、後に『TURN BACK』でセルフカバーされました。このセルフカバーは、初期の楽曲を現在の視点から再解釈する試みであり、ファンにとっては聴き比べが楽しいものとなっています。

アルバムに収録されている楽曲は、以下の通りです。

1. キミがいる (4:02)
2. This is my fashion (2:36)
3. I Need Somebody (4:33)
4. Dear, my 'first' step (5:00)
5. 雨が降ってきたような気がする (4:08)
6. 雨にうたえば (4:44)
7. Kiss me, Baby (2:46)
8. あそこへ帰りたい (3:18)
9. ハロー・ガール (4:15)
10. FOREIGNER (3:20)
11. WANT TO SLEEP FOR… (3:27)
12. さようなら第三惑星 (5:18)

これらの楽曲は、全曲the pillowsによって編曲されており、初期のピロウズのサウンドの特徴をよく表しています。作詞・作曲は山中さわおが中心ですが、上田ケンジも一部楽曲に参加しています。

『MOON GOLD』は、the pillowsのメジャーデビュー作として、彼らの音楽キャリアにおいて非常に重要な位置を占めるアルバムです。このアルバムを通して、初期のピロウズの音楽性やバンドの姿勢を感じることができ、ファンにとっては必聴の一枚です。また、彼らの音楽の歴史を辿る上で、避けては通れない重要な作品と言えるでしょう。

参考文献
the pillows cast [1989-2009] 20th Anniversary Special Edition

もう一度検索