MOONSHINE DANCE

MOONSHINE DANCE (ムーンシャイン・ダンス)

「MOONSHINE DANCE」は、日本の音楽ユニットaccessが1993年8月25日に発表した通算4枚目のシングルである。発売はファンハウスより行われた。

本楽曲は、accessのシングル作品の中でも商業的に大きな成功を収めた一曲として知られている。特に、後にリリースされた9thシングル「DRASTIC MERMAID」に次ぐ26.1万枚という高いセールス実績を記録している。その人気は発売から年月を経ても衰えず、2011年12月に中野サンプラザで開催された「access COUNTDOWN LIVE 2011～2012」において、ファンの投票によってライブのセットリストが決められた際には、最も多くのリクエストを集め、1位を獲得した。このエピソードは、本楽曲が長年にわたり多くのファンに愛され続けていることの証と言えるだろう。

「MOONSHINE DANCE」は、発表後も様々な形でリスナーに届けられている。例えば、2002年にリリースされた4thアルバム『CROSSBRIDGE』には、「MOONSHINE DANCE 2002 -Return to Star-」と題されたリメイクバージョンが収録された。また、シングルのカップリング曲である「LYIN' EYES」も、異なるバージョンが存在する。ベストアルバム『access Best Selection』には「LYIN' EYES (CROSSBRIDGE ver. 2002)」として、そして23rdシングル「JOY TRAIN」には「LYIN' EYES (DANCE MIX) 」として、それぞれアレンジされた音源が収められている。これらのバージョンは、原曲の魅力を保ちつつ、新たな解釈を加えることで楽曲の多様性を示している。

他のアーティストによるカバーも存在する。シンガーソングライターのコタニキンヤ.は、自身のシングル「This is GRAVITATION Vol.2」の中で本楽曲をカバーしている。さらに、2020年8月2日に放送されたテレビ番組「有吉の壁 2時間スペシャル」のコーナー「なりきりの壁を越えろ! ご本人登場選手権」では、お笑いコンビのチョコレートプラネットがパフォーマンスを披露。特筆すべきは、この際にはaccessのメンバーである浅倉大介と貴水博之本人たちも出演し、チョコレートプラネットとの共演が実現したことである。このテレビ番組での披露は、世代を超えて楽曲が認識される機会ともなった。

シングルには、表題曲を含め3曲が収録されている。

1. MOONSHINE DANCE
作詞、作曲、編曲はすべてAXS名義となっているが、具体的には作詞を貴水博之、作曲を浅倉大介が担当している。この楽曲のテーマは「狼男」であり、さらに「月光が人間や物体、感情に変化をもたらす、不思議で超自然的な力」が描かれている。作詞を担当した貴水は、この曲に取り組むにあたり、「これまでのaccessの音楽活動の集大成となるような楽曲にしたい」という強い思いを持っていたと語っており、そのために時間をかけて、非常に慎重に言葉を選びながら歌詞を書き上げたというエピソードが残されている。
ミュージックビデオの制作も大規模に行われた。撮影場所は、アメリカ合衆国カリフォルニア州にあるバスケス・ロックス。ロサンゼルスから車で約3時間ほどの距離にあるこの場所で、カメラマンやスタイリストを含む総勢50人近い現地スタッフが集結し、ロケーション撮影が行われた。撮影は早朝の午前5時から開始され、翌朝の午前4時まで、実に23時間にも及んだ。演奏シーンやイメージショットなど、多岐にわたる場面が収められ、楽曲の世界観を視覚的に表現する重要な要素となっている。

2. LYIN' EYES
こちらも作詞、作曲、編曲はAXS名義で、作詞が貴水博之、作曲が浅倉大介である。楽曲のテーマは「どうしても手に入れたいという切迫した感情」を描いたものとされている。この曲には特徴的な部分として、間奏にラップが挿入されている箇所がある。しかし、このラップパートには放送禁止用語が含まれており、実際にCD音源などで聴く際には、その部分に「ピー音」が被せられている。公式な歌詞カードなどにも、この放送禁止用語を含む部分は記載されていない。

3. NAKED DESIRE (Instrumental Mix)
作詞、作曲、編曲はAXS名義であり、作詞は貴水博之、作曲は浅倉大介が担当している。このバージョンはインストゥルメンタルミックスであり、ボーカルは含まれていない。

「MOONSHINE DANCE」は、そのキャッチーなメロディーと、月光や狼男といったファンタジックな世界観を描いた歌詞、そして浅倉大介による緻密なサウンドプロダクションが融合した楽曲であり、accessの代表曲の一つとして、リリースから30年近く経った現在も多くのリスナーに支持され続けている。

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