MPアグロ

MPアグロ株式会社は、日本の医薬品卸売業界大手であるメディパルホールディングスグループに属し、特に動物用医薬品やその他の関連製品の卸売を専門とする企業です。

沿革

同社の歴史は、今から半世紀以上前に遡ります。そのルーツは、昭和31年7月に北海道の旭川市で設立された丸善薬品株式会社にあります。事業の拡大に伴い、昭和39年12月には札幌市に丸善薬業株式会社を、翌昭和40年4月には釧路市に釧路丸善株式会社を設立するなど、道内各地に拠点を広げました。設立から約10年後の昭和43年10月には、事業の効率化を図るため、丸善薬業株式会社と釧路丸善株式会社を吸収合併しました。この後、昭和51年7月には本社機能を旭川市から札幌市に移転し、経営の中枢をより広域な活動に適した場所に移しました。さらに、平成2年9月には現在に至る本社ビルを新築し、事業基盤の強化を図りました。

平成に入ると、同社は事業領域の拡大や組織の強化を目的とした M&A（合併・買収）やグループ内での再編を積極的に進めます。平成12年8月には、株式会社スズケンが手掛けていたアグリ関連事業の営業権を譲り受け、事業規模を拡大しました。続く平成13年3月には、東北地方の事業基盤を強化するため、青森県の株式会社大学堂と岩手県の株式会社岩手大学堂を完全子会社化しました。さらに、翌平成14年7月には株式会社美濃谷を完全子会社とするなど、他地域への展開も進めました。これらの子会社群は、平成16年7月に親会社である同社に吸収合併され、一体的な運営体制へと移行しました。

転換点となったのは、平成19年1月です。この時、同社は株式交換の手法により、株式会社メディセオ・パルタックホールディングス（現在の株式会社メディパルホールディングス）の完全子会社となりました。これにより、医薬品卸売大手の広範なネットワークと経営資源を活用できる体制が構築されました。

その後、平成22年4月には、グループ内での更なる事業再編が実施されます。この時、会社分割を通じて既にメディパルホールディングスの完全子会社となっていたエバルスアグロテック（株式会社エバルスの子会社）を吸収合併しました。これと同時に、株式会社アトルが行っていた動物用医薬品の卸売事業に加え、食品や食品添加物等の卸売事業をも、同じく会社分割によって継承しました。そして、これらの事業統合を経て、社名を現在のMPアグロ株式会社へと変更しました。この再編により、動物用医薬品の卸売事業におけるグループ内の中核企業としての位置づけが明確になりました。

直近の動きとしては、平成28年4月に一部事業の再編が行われています。この時、かつて継承した事業の一部である食品加工原材料および食品添加物の卸売事業を、会社分割により同じメディパルグループに属する桜井通商株式会社へ承継しました。なお、この承継に伴い、桜井通商株式会社はメディパルフーズ株式会社に商号を変更しています。これにより、MPアグロ株式会社は動物用医薬品を中心とした事業に、より特化することとなりました。

主な取引メーカー

MPアグロ株式会社は、国内外の主要な動物薬メーカーや関連製品メーカーと幅広く取引を行っています。主な取引先としては、以下のような企業が挙げられます。

DSファーマアニマルヘルス
インターベット
共立製薬
日生研
ノバルティスアニマルヘルス
バイエル薬品
微生物化学研究所
ファイザー
フジタ製薬
物産バイオテック
* Meiji Seikaファルマ

動物用医薬品等の卸売を通じて、日本の畜産産業や動物医療分野の発展に貢献しています。

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