MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集

MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集

『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』は、1990年3月にバンダイから出版された資料集で、アニメ「ガンダムシリーズ」に関連する戦場の写真をテーマにしています。この書籍は、特に「宇宙世紀」という仮想の時代背景をもとにした独自のコンセプトで編纂されており、さまざまな時期の戦闘シーンを写真という形で表現しています。

このシリーズの中では、「0001〜0080」という数字が示すように、宇宙世紀0079年以前である0001年から0078年までの時代の写真が収められています。最初の写真は1969年に月面に残されたニール・アームストロングの足跡のセル画です。この視覚的アプローチは、挿入された写真によって視聴者が物語の深い一面を理解できるように工夫されています。

発刊にあたってのきっかけは、OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』のエンディングでの「戦時下の子供たちの写真」が、同作のデザインワークスを担当していた出渕裕によって発表されたことから始まりました。彼はこの手法が「世界観をうまく表現できる」と確信し、その影響を受けた多くの写真が収録されています。

書籍には、OVA『0080』に登場するモビルスーツやそれに関連するデザインが収められており、これには未登場の機種もリデザインされて組み込まれています。また、この写真集は『0080』の本編と連動した写真や、オリジナルの『機動戦士ガンダム』からインスパイアされたシーンも含まれています。特に、ホワイトベース隊やマチルダ・アジャン、ララァ・スンを撮影した場面はファンにとって特別な意味を持っています。

作品の構成は、高山文彦監督が出渕裕と共に行い、作画監督に窪岡俊之、川元利浩、岩滝智が加わっています。美術監督の池田繁美やアトリエ・ムサ、さらに河森正治、高松信司、ゆうきまさみなどの著名なクリエイターからもアイデア提供が行われ、特徴的な資料集が誕生しました。

この『MS ERA 0001〜0080』は1999年と2008年に再刊行され、1999年版は「宇宙世紀0084年における日本語版」として、新しい「写真」や「序文」、「日本語版の編集後記」が追加されるなどの改訂が施されました。また、ジオンの英語表記が「ZION」から「ZEON」へと修正されるなど、新たな情報も盛り込まれています。

書籍の出版情報は以下の通りです：

• - MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集

1990年3月、バンダイ発行
ISBN 978-4891894740

• - M.S.ERA 0099　機動戦士ガンダム戦場写真集

1999年11月、メディアワークス発行
ISBN 978-4840212335

• - M.S.ERA MOBILE SUIT GUNDAM 0001-0080 POPULAR EDITION 機動戦士ガンダム戦場写真集

2008年3月、メディアワークス発行
ISBN 978-4840242394
1999年版の廉価版で、追加された写真が削除されています。

このように、『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』は、さまざまな視点から「ガンダム」の歴史とその戦場の姿を切り取った貴重な資料集であり、ファンにとっての必携書となっています。

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