MVV

MVV（Mitsubishi Vertical Vortex）について

MVV、または三菱・バーチカル・ボルテックスは、1991年に三菱自動車工業によって開発されたリーンバーンエンジンの一種です。このエンジンは、特異な吸気方式を持ち、効率的な燃焼を実現するために設計されています。

概要

MVVエンジンは、縦渦層状吸気リーンバーンエンジンとも称され、その主な特徴は、空燃比が異なる混合気を吸入することにあります。これにより、「成層燃焼」と呼ばれる独自の燃焼方式が達成されます。MVVは、全ての弁機構にSOHC（シングルオーバーヘッドカムシャフト）方式を採用しており、エンジンの設計において効率性を追求しています。

初代MVVエンジンとして登場したのが4G15型エンジンです。このエンジンは、吸気2バルブ、排気1バルブを持つ3バルブ構成で、インジェクターは特定のバルブに偏って配置されています。このデザインにより、吸気プラグに近い位置に点火プラグが配置され、吸気時に生じる縦渦（タンブル）が、2つの吸気バルブから入る混合気の混ざり合いを防ぎます。圧縮時には、濃い方の混合気が点火される仕組みとなっており、これによりリーンバーンを実現しているのです。

技術的発展

その後、MVVエンジンは進化を遂げ、バルブ数が増加する4バルブ方式へと発展しました。4バルブ方式では、吸気と排気がともに2バルブを持つ設計に変更され、より効率的な燃焼を実現しました。本仕様のMVVは、三菱自動車の他のエンジンにも採用されており、4G93型や6G73型、3G83型、4A30型といったモデルが存在します。

この技術開発において、重要な役割を果たしたのは安東弘光博士です。彼は後に、GDI（ガソリン直接噴射）エンジンの開発に関与し、三菱自動車が技術革新の先駆者であることを示しました。

まとめ

MVVエンジンは、そのユニークな吸気方式と効率的な燃焼メカニズムにより、三菱自動車のエンジン技術の中でも注目される存在となっています。エンジン設計の進化とともに、今後もさらなる発展が期待される分野です。

関連項目

• - CVCC
• - 成層燃焼
• - 三菱・3G8型エンジン
• - 三菱・シリウスDASH3×2

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