MacBook (2015-2017)
12インチMacBook（Retina MacBook）の概要
12インチMacBookは、Appleがかつて販売していたMacのノートブックコンピュータです。2015年3月に発表され、従来のMacBook Airよりもコンパクトで、Retinaディスプレイ、ファンレスデザイン、薄型のバタフライキーボード、そしてUSB-Cポートを搭載していました。MacBook Proよりも低いパフォーマンスレンジに位置づけられ、2019年7月に販売終了となり、Retinaディスプレイを搭載した第3世代MacBook Airに統合されました。
詳細な特徴
発表は2015年3月9日のApple Special Eventで、発売は4月10日でした。Intel Broadwell Core Mプロセッサを採用し、ファンレス設計と小型化されたロジックボードが特徴です。外観はMacBook Airに似ていますが、プロセッサの性能は劣るものの、より薄く軽量で、高解像度Retinaディスプレイを搭載していました。カラーバリエーションは、スペースグレイ、シルバー、ゴールドの3色でした。
インターフェースは、3.5mmヘッドフォンジャックとUSB-Cポートのみで、USB-CはMac初搭載でした。このポートはデータ転送、オーディオ・ビデオ出力、充電に使用できるため、MagSafe充電機能は搭載されていません。このため、AppleはUSB-Cアダプタを販売し、他社も同様の製品を開発しました。ただし、Thunderbolt 3はサポートされていませんでした。
キーボードは、従来のシザーメカニズムからバタフライメカニズムに変更され、薄型化とキーの安定性が向上したとされています。また、各キーにLEDを搭載し、バックライトの均一性を高めました。トラックパッドには、感圧式のForce Touchが採用され、クリック感を再現しています。この技術は、Magic Trackpad 2やMacBook Pro、Apple Watch、iPhone 6sにも採用されました。
筐体は、最厚部で13.1mmと非常に薄く、バッテリーは39.7Whのリチウムポリマー電池で、一日中使えるとされていました。2015年モデルはインターネット閲覧で9時間、iTunesの映画再生で10時間、2016年モデルではそれぞれ10時間、11時間使用可能でした。また、環境に配慮し、リサイクル可能な素材を使用し、有害物質を排除しています。
2016年4月には、Skylake Core Mプロセッサを搭載し、メモリやストレージの高速化、バッテリー寿命の延長が図られたモデルが追加され、ローズゴールドモデルも登場しました。2017年6月には、Kaby Lakeプロセッサに更新され、第2世代のバタフライキーボードと高速ストレージ、最大16GBのメモリが選択可能になりました。2018年10月には、ローズゴールドと初代ゴールドモデルが廃止され、新しいゴールドモデルが追加されました。
デザイン
デザインはMacBook Airを踏襲し、テーパー形状のアルミニウム筐体を採用しています。MacBook Proと同様に、黒いベゼルのフラッシュスクリーンを搭載しています。背面のAppleロゴは鏡面仕上げで、従来のバックライト透過式ではなくなりました。このMacBookは、Apple製で最も薄く軽いノートブックでした。キーボードのフォントはSan Franciscoに変更され、Appleがラグジュアリーブランドを目指す象徴とされました。特にゴールドモデルは、中国市場での高級品としての需要を意識したものでした。
評価
12インチMacBookは、デザインと品質で評価されましたが、パフォーマンスの低さやポートの少なさなどの批判もありました。MacBook Airの後継機種となる可能性が指摘されましたが、実際にはMacBook Airも併売されました。一部の批評家は、このMacBookを初期のコンセプト実証モデルとみなし、メインストリームになるまで購入を控えるよう勧めました。特に、Intel Core Mプロセッサの性能は、より安価なMacBook AirやMacBook Proに劣るとされました。また、USB Type-Aポートがなく、アダプタが必要な点も不便だとされました。
キーボードは、長期間の使用には不向きだと多くの批判を受けました。バタフライキーボードは故障しやすく、修理費用も高額でした。AppleInsiderのレポートによると、このキーボードは以前のモデルの2倍の頻度で故障し、キーの下に粒子が詰まることが原因であることが多かったとされます。この問題を巡り、Appleは集団訴訟を起こされ、2018年6月には無償修理プログラムを発表しました。
キーボード修理プログラム
2015年、2016年、2017年のモデルでは、キーボードの不具合（反復入力、入力文字の欠落、レスポンス不良など）が発生した場合、購入日から4年間無償修理が提供されます。対象機種は以下の通りです。
MacBook (Retina, 12-inch, Early 2015)
MacBook (Retina, 12-inch, Early 2016)
MacBook (Retina, 12-inch, 2017)
技術仕様
サポートされているOSやWindowsのバージョンに関する情報は、別途参照してください。
参考文献
MacBook Air
MacBook Pro
外部リンク
MacBook – official site
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