Macintosh LC 500 シリーズ

Macintosh LC 500シリーズ

Macintosh LC 500シリーズは、Apple Computerが1990年代に設計、製造、販売した一体型パーソナルコンピュータです。本稿では、派生モデルであるMacintosh Performa 500シリーズ、およびMacintosh TVについても解説します。

概要

1992年、当時のApple CEOジョン・スカリーは、市場戦略を強化するため、大画面ディスプレイと光学ドライブを内蔵した一体型Macintoshのデザインを、同社Industrial Design Group (IDg)に指示しました。IDgが過去に提案し、見送られたデザインをベースに、Appleのエンジニアリングチームが製品化を実現しました。

各モデルの詳細

Macintosh LC 520

開発コードネーム: Mongo
ロジックボード: Macintosh LC IIIのチップセットを流用
特徴: スペック上の大きな違いは見られない。LC 550または575と同等の仕様にするアップグレードキットがAppleから販売されていた。
モデル:
Macintosh LC 520
Macintosh Performa 520: 付属品やサポートを充実。CD-ROMドライブがトレイローディング式に変更。ただし575へのアップグレードは公式には対象外。

Macintosh LC 550

主な変更点: CPUがMC68030 25MHzから33MHzへ向上。光学ドライブはトレイローディング式。
ロジックボード: Macintosh Color Classic IIと基本的に同じものを使用。
特徴: LC 575へのアップグレードパッケージも提供。
モデル:
Macintosh LC 550: 日本では未発売。
Macintosh Performa 550
Macintosh Performa 560 Money Edition: Performa 550にビジネスソフトを同梱。Circuit Cityの店舗およびAppleからの直接注文でのみ、米国内で販売。
Macintosh TV: Macintoshシリーズで初めてTVチューナーを標準装備。日本では未発売。

Macintosh LC 575

CPU: MC68LC040を採用
ロジックボード: LC 475のアーキテクチャを採用
特徴: モデムカードやEthernetカードを追加するためのCommunication Slotを装備。Appleが公式に認めた搭載可能メモリは36MBであったが、後に128MBモジュールを用いた132MBでの動作が確認されている。Macintoshプロセッサアップグレードカードによるアップグレードパスも提供。
モデル:
Macintosh LC 575
Macintosh Performa 575
Macintosh Performa 577
Macintosh Performa 578

Macintosh LC 580

CPU: 68LC040を継続採用
ロジックボード: 大型化されPerforma 630互換のものに変更
特徴: 630同様、IDEインターフェースを装備し安価なIDEハードディスクが採用可能。630用のビデオキャプチャカードに対応。SIMMスロットが2スロットに増加。
ディスプレイ: LC 575のトリニトロンディスプレイから、安価なシャドウマスクスクリーンに変更。
モデル:
Macintosh LC 580: 米国では教育市場でのみ販売。
Macintosh Performa 588CD
Macintosh Performa 580CD

これらのモデルは、当時の一体型Macintoshの多様性と進化を示す好例と言えるでしょう。

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