Macintosh LC

Macintosh LC（マッキントッシュ エルシー）は、Apple Computer（現Apple）が1990年に発売したデスクトップパソコンであり、Macintosh LCシリーズの初代機です。その後継機種を含め、MC68020、MC68030、MC68LC040を搭載したデスクトップMacintoshのシリーズ全体を指す総称としても用いられます。

「LC」は、低価格でカラー表示が可能な「ローコストカラー」の略称であると言われています。これは、当時のMacintoshとしては比較的手頃な価格でカラー表示を実現したことを意味します。

初代Macintosh LCは、Macintoshの低価格路線を切り開く先駆けとして、上位機種であるMacintosh IIシリーズの廉価版Macintosh IIsi、下位機種である白黒モニタ一体型のMacintosh Classicと共に発表されました。薄型の「ピザボックス」と呼ばれる特徴的な筐体デザインを採用しており、純正の12インチモニタであるMacintosh 12" RGB Displayと横幅がぴったり合うように設計されていました。

CPUには16MHzのMC68020を搭載し、カラー対応のMacintoshとしては、当時最も廉価でコンパクトな機種でした。この手頃な価格とコンパクトなサイズが、Macintosh LCを幅広い層に受け入れられる要因となりました。

特に、当時米国では教育市場で広く利用されていたApple IIからMacintoshへの移行を促進する戦略機種としての役割を担っていました。LC PDSスロットにApple IIeカードを搭載することで、Apple IIとしても利用できるという互換性を持たせることで、移行のハードルを下げ、教育現場での導入を促進しました。

Macintosh LCシリーズは、その後も様々なモデルが発売され、そのデザインや性能は進化していきましたが、低価格でカラー表示が可能なMacintoshというコンセプトは一貫していました。

関連機種
Performa: LCシリーズにソフトウェアやキーボードをバンドルして販売されたモデル。
Macintosh LC 475: ピザボックス筐体の最終モデル。Power Macintosh化が可能。
* Macintosh LC 630: Power Macintosh 6200, 6300シリーズに引き継がれる新筐体デザインで登場した最後の68K Macの一つ。

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