Mark 12 (核爆弾)

Mark 12 核爆弾の概要

Mark 12は、アメリカ合衆国によって開発された核爆弾であり、その生産は1954年から1957年にかけて行われました。この核弾頭は、1962年まで配備され、冷戦時代の軍事戦略における重要な役割を果たしました。

軽量化と設計

Mark 12の大きな特徴は、従来の核爆弾と比較して大幅に軽量化されている点です。前の世代の核兵器であるMark 7と比べると、Mark 12はその重量を40%削減しており、直径も22インチ（約56センチメートル）まで縮小されています。具体的には、Mark 12は直径22インチ、長さ155インチ（約394センチメートル）で、重量は1,100から1,200ポンド（約499から544キログラム）です。また、核出力は12から14キロトンに設定されています。

起爆方式

Mark 12はインプロージョン方式を起爆方式として採用しています。この方式は、核反応を引き起こすために爆縮レンズを用いるもので、Mark 12には92個の爆縮レンズが搭載されています。これにより、核爆発を効率的に引き起こすことが可能になっています。

材料と構造

この核兵器は、タンパーにベリリウムを使用した最初の核爆弾であると考えられています。ベリリウムはその特性から、核反応を効率良くサポートする役割を果たします。Mark 12の外形は流線形で、機外搭載用に4枚の安定翼が後部に取り付けられており、安定した飛行を可能にしています。信管には時限式および触発式が用意されており、多様な使用条件に対応できる設計となっています。

開発中止となった計画

Mark 12を基にした弾頭部を使用し、タロス艦対空ミサイル向けにW12核弾頭の開発計画が存在しましたが、1955年にこの計画は中止され、実用化には至りませんでした。このような経緯は、当時の軍事技術の進展や冷戦の文脈と密接に関連しています。

総括

Mark 12は、冷戦時代における核兵器の技術革新を象徴する存在です。軽量化や効率的な起爆方式など、様々な特徴を持ち、アメリカの核戦略において重要な役割を担いました。その後の核兵器開発にも影響を与え、冷戦の複雑な局面の中で位置づけられるべき兵器といえるでしょう。

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