Mark 14 (核爆弾)

Mark 14 - アメリカの水素爆弾の歴史

Mark 14は、アメリカ合衆国によって設計された水素爆弾であり、核融合兵器の中でも特に初の実用型として知られています。この爆弾は、固形重水素化リチウムを核物質として使用したもので、1953年にソ連が水爆実験に成功したことを受け、さらに現実的な核融合兵器としての開発が進められました。

開発当初はTX-14またはEC-14という名称で知られており、実験的な兵器としての扱いを受けていました。1954年4月26日には、キャッスル・ユニオン作戦という核実験が行われ、ここでMark 14の爆発試験が実施されました。その結果、なんと6.9兆トン（MT）の核出力を記録しました。

この爆弾の設計には、トリチウムの生成に適しているリチウム6同位体を95%の高濃度に濃縮したものが使用されました。これは、自然界に存在するリチウム6と比較しても圧倒的に高い濃縮率です。融合反応の起爆には、テラー＝ウラム・デザインという先進的な構造が採用されており、爆弾の核出力の約70％は、タムパーのウランによる核分裂反応から生じています。この反応は、融合反応によって放出された中性子を利用しています。

Mark 14の物理的特徴も注目に値します。直径は61.4インチ、長さは222インチ、そして重量は約28,950から31,000ポンドとも言われています。アメリカ空軍のB-36爆撃機に搭載されることを想定して設計されており、投下時には直径約64フィートのパラシュートを使用することで安全に空中で爆発させることが可能でした。ただし、実際の投下による核実験は行われていませんでした。

Mark 14は1954年に5発が生産され、この時すでにより強力なMark 16が1月には生産されていたため、アメリカの正式な核融合兵器としては2番目のモデルということになります。また、同年の7月には更に強威のMark 17の生産が始まり、配備期間は1954年2月から10月まで続きました。

1956年にはこの爆弾は解体され、その核燃料の一部は新たに登場したMark 17に再利用されました。また、Mark 14は「アラームクロック」という愛称でも知られていますが、これは一部の核兵器デザインに関連します。しかし、アラームクロック方式自体とは直接の関係はありません。

このようにして、Mark 14はアメリカの核兵器技術の発展を象徴する重要な存在であり、その後の核融合兵器の発展にも大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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