Medium 霊媒探偵城塚翡翠

『medium 霊媒探偵城塚翡翠』

『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は、日本の作家・相沢沙呼による小説で、2019年に講談社から刊行された作品です。本書は「城塚翡翠シリーズ」の第一作目として位置づけられています。物語は、霊媒師と推理作家が複雑な殺人事件を解決していく過程を描き、さまざまな人間関係や心理を探っていきます。特に、ミステリーの要素と霊的な要素が上手く融合されている点が特徴的です。

概要

本作は全4話構成に加え、各話の間にインタールードを挟む形で物語が進みます。エピソードは、推理作家の香月史郎が美貌の霊媒師、城塚翡翠と共に事件を解決に導く姿を中心に展開されます。初版が2019年9月に発売されて以来、多くの読者の支持を受け、第20回本格ミステリ大賞を含む数々の賞を受賞しました。また、2022年にはテレビドラマとしてもリメイクされるほどの人気を誇ります。

相沢は、元々別の作品の続篇を書く予定でしたが、本作に着想を得て新たな短編ミステリーを書くことを決めました。タイトルは、編集者からの提案で「medium」という単語を用いることになり、これが作品全体のテーマを象徴しています。特に、登場人物のルールに縛られず、殺人事件をテーマにすることを選んだ点が、相沢にとって重要な転機となりました。

物語のあらすじ

第一話: 泣き女の殺人

推理作家の香月史郎は、大学の後輩である倉持結花と共に霊能者、城塚翡翠に接触します。結花は夢で現れる女性の霊に悩まされており、翡翠はその真相を解明しようとします。しかし、訪れた結花の自宅で、彼女の遺体が発見されてしまいます。

第二話: 水鏡荘の殺人

香月は翡翠と共に参加したバーベキューパーティーで、鏡に映る謎の女性の幻影を目撃します。会場にて、家主の遺体が見つかり、翡翠の霊視結果が事件解決への糸口となるかと思われましたが、証拠がなく香月は困惑します。

第三話: 女子高生連続絞殺事件

香月は、連続殺人事件の解決を女子高生に依頼され、捜査に協力します。しかし、事件は予想以上に複雑化し、さらなる犠牲者が出現します。

最終話: VSエリミネーター

香月は、4年前からの連続殺人事件に挑み、翡翠はそれに立ち向かいます。研究と探偵活動が交錯し、果たして彼らは真実にたどり着くのでしょうか。

登場人物

• - 香月史郎: 主人公で推理作家。冷静かつ論理的な思考を持ち、翡翠を助けて事件を解決していきます。
• - 城塚翡翠: 美貌で神秘的な力を持つ霊媒師。彼女の霊的な能力が物語の鍵となります。
• - 鐘場正和: 警視庁の刑事で香月に捜査協力を求めます。彼の過去も物語に影響を及ぼします。
• - 千和崎真: 翡翠の助手。彼女の存在が物語のサポート役となります。

この作品は、ミステリーの面白さを追求しながら、霊の存在についても考えさせられる内容となっています。相沢沙呼の作品は、視覚的に楽しませる映像化されたドラマでも新たなファンを獲得し、これからますます注目されることでしょう。

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