Memory COMPO

JVCケンウッド「Memory COMPO」シリーズとiPod対応オーディオシステム

「Memory COMPO（メモリーコンポ）」は、JVCケンウッド（旧・日本ビクター）が2007年 9月から2015年末まで展開していたミニコンポおよびポータブルシステムのブランド名です。全機種にフラッシュメモリーとUSBホスト端子を内蔵し、当時同社が展開していたデジタルオーディオプレーヤー「alneo」との連携を重視していました。カセットデッキは搭載せず、USB端子が標準装備されています。また、USBマスストレージクラスに対応し、Windows Media Playerで楽曲管理が可能なUSB機器のみが利用可能でした。

シリーズ展開の背景

シリーズ展開開始前の2006年 9月には、コンポタイプの「UX-QM7」とラジカセタイプの「RD-M2」が同様のコンセプトで登場しました。「Memory COMPO」のシリーズ名が本格的に使用されたのは、「UX-GM70」「UX-GM50」「RD-M1」の発売発表時からです。しかし、2013年頃には、iPodやiPhoneとのダイレクト接続機能を重視した「iPod対応オーディオシステム」が主流となり、本シリーズは大幅に縮小されました。さらに、2010年 10月には「UX-GM77」と「RD-M2」が生産終了し、MD搭載機種もすべて生産を終えています。

本稿では、「Memory COMPO」シリーズに加え、iPod対応オーディオシステムおよびポータブルシステムの一部機種についても解説します。

Memory COMPOラインアップ

UX-QM7

2006年 9月に発売された、シリーズ展開開始前のモデルです。CD、MD、512MBのフラッシュメモリー、USB端子、FM/AMチューナー、アナログ外部入力端子を搭載しています。この機種のみ「memory Lip×Lap」として展開され、「Memory COMPO」シリーズには含まれていません。上位機種という位置づけで、CDトレイが光る「クリスタルトレイ」を採用しています。2007年 7月に生産終了しました。

UX-QM3

2007年秋に発売された、UX-QM7のリファインモデルです。機能やデザインはほぼ同一で、スピーカーのみ2Wayスピーカーに変更されました。CD、MD、512MBのフラッシュメモリー、USB端子などを搭載し、「クリスタルトレイ」も採用しています。この機種が最後の「クリスタルトレイ」採用機種となりました。2008年 6月生産終了。

UX-DM8

2007年に発売された、初のWMA-DRM再生対応モデルです。CD、1GBのフラッシュメモリー、USB端子などを搭載しています。2008年2月に生産終了しました。

UX-GM70

2007年 11月中旬に発売された、シリーズ初の「Memory COMPO」ブランド機です。CD、MD、1GBのフラッシュメモリー、USB端子、SDカードスロットなどを搭載し、業界初の携帯電話によるタイトル取得機能「Magic Sync」に対応しました。2008年 6月生産終了。

UX-GM50

2007年 9月下旬に発売された、UX-GM70の廉価版モデルです。CD、1GBのフラッシュメモリー、USB端子などを搭載し、「Magic Sync」にも対応しています。2008年 8月生産終了。

UX-GM55

2008年 9月上旬に発売された、UX-GM50の後継機種です。MDは非搭載ですが、「alneoドック」と2GBのメモリーを新たに搭載しました。alneo XA-VシリーズおよびXA-Mシリーズとのダイレクトドッキングが可能ですが、この機能は本機種とUX-GM77のみに搭載されています。2009年 11月生産終了。

RD-M1

2007年 9月に発売された、Claviaシリーズのモデルです。MDは省略され、CD、1GBのフラッシュメモリー、USB端子などを搭載しています。2010年 4月生産終了。

UX-GM77

2008年 7月2日に発売された、UX-GM70の後継機種です。MDを搭載し、「alneoドック」と2GBのメモリーも内蔵しています。UX-GM55と同様に、alneoとのダイレクトドッキングが可能です。2010年 10月生産終了。

RD-M4-VD

2011年3月に発売された、ビクターダイレクト限定の数量限定モデルです。RD-M8-VDのメモリー容量を4GBに削減したモデルです。2013年 4月に販売終了。

RD-M8

2010年 6月中旬に発売された、RD-M1の後継機種です。フラッシュメモリーが8GBに増量されています。2015年2月までに生産終了。

RD-M8-VD

2010年 6月下旬に発売された、ビクターダイレクト限定の数量限定モデルです。RD-M8をベースに、スピードコントロール機能やマイク端子などが追加されています。2015年2月までに販売終了。

iPod対応オーディオシステム/ポータブルシステム

Memory COMPOの派生シリーズとして、iPodやiPhoneとのダイレクト接続を重視したオーディオシステムも展開されました。ここでは、一部機種について解説します。

NX-TC5

2009年 8月下旬に発売された、ワンセグ対応デジタルメディアシステムです。Memory COMPOシリーズのUX-GM77の実質的な後継機種で、iPod接続に特化しています。4.3インチ液晶を搭載し、MDも搭載しています。JVC製としては最後に発売されたMD搭載機種です。2010年 8月生産終了。

NX-TC3

2009年 8月下旬に発売された、ワンセグ対応デジタルメディアシステムです。UX-GM55の実質的な後継機種で、iPod接続に特化しています。MDは非搭載です。2012年1月生産終了。

NX-TC7

2010年 11月上旬に発売された、NX-TC5の後継機種とされるモデルです。しかし、MDは搭載されず、液晶サイズが7インチに拡大されました。2013年 7月生産終了。

UX-FH7

2010年 8月上旬に発売された、iPod/iPhone対応マイクロコンポーネントシステムです。ツインドックを搭載し、2台のiPod/iPhoneを同時接続できます。2011年7月生産終了。

UX-SH5

2010年 8月上旬に発売された、iPod/iPhone対応マイクロコンポーネントシステムです。ダイレクトドックを搭載し、iPod/iPhoneを接続できます。2011年10月生産終了。

UX-VJ3

2011年8月上旬に発売された、iPad/iPod/iPhone対応マイクロコンポーネントシステムです。業界初のiPadとiPhone/iPodのダブルドックを搭載していますが、CDとUSB端子は非搭載です。2012年6月生産終了。

NX-TC40

2011年9月上旬に発売された、ワンセグ対応デジタルメディアシステムです。NX-TC7の派生機種で、Bluetooth機能が追加されました。2015年2月までに生産終了。

UX-VJ5

2011年7月中旬に発売された、iPad/iPod/iPhone対応マイクロコンポーネントシステムです。ダブルドックを搭載し、CDからUSBへのMP3録音も可能です。2015年2月までに生産終了。

EX-S1

2010年 10月上旬に発売された、ウッドコーンスピーカー搭載のiPodオーディオシステムです。2015年2月までに生産終了。

UX-LP55

2011年9月上旬に発売された、iPod/iPhone対応マイクロコンポーネントシステムです。ダイレクトドックを搭載しています。2015年2月までに生産終了。

RD-N1

2010年 6月中旬に発売された、iPod対応CDポータブルオーディオシステムです。ラジカセタイプで、USB機器の再生とCDからの録音が可能です。2015年2月までに生産終了。

RV-NB50-W

2009年 12月下旬に発売された、パワードウーハーCDシステムです。ドラム缶形状で、iPodダイレクトドックを搭載しています。2015年2月までに生産終了。

RV-NB70-B

2011年4月下旬に発売された、パワードウーハーCDシステムです。エレキギターなどを接続して演奏も可能です。2015年2月までに生産終了。