Mi-17 (航空機)

Mi-17: 中型多目的ヘリコプターの概要

Mi-17（ミル17）は、ソビエト連邦のMVZ（モスクワ・ヘリコプター工場）で設計された中型の多目的ヘリコプターであり、その基本設計は改良型のMi-8MTに基づいています。Mi-8MTが国内向けに呼ばれる一方、輸出機はMi-17という名称で知られています。この機体は、北大西洋条約機構（NATO）では「ヒップH」というコードネームで呼ばれ、世界中で多くの国の軍隊に採用されています。

開発の背景

1964年から始まったMi-8の改良型の開発には、当初から多くの要素が盛り込まれました。具体的には、エンジンの出力向上や機体のサイズを拡大することで、乗客をより多く輸送できるようにすることが目的でした。1971年には、他の重要な機体との並行開発が行われている間に、必要性が高まったことからMi-8Mの開発が加速しました。このようにして、1975年には初飛行が行われ、Mi-8Mは最後にMi-17となる運命を辿ります。

Mi-8MTからMi-17への進化

1977年、Mi-8MTの改良型として正式に採用されたMi-8MTは、主に軍事および民間用途に向けて改良されました。特に、アフガン戦争での実戦経験から、多くの改良が施され、エンジン性能が向上しました。これにより、Mi-17は標高の高い地域でも運用が可能となり、多くの派生型が開発されました。

この派生型の中には、輸送や救急医療などの多様なミッションに対応するための改良が施されたものが多く見られます。1977年から1997年にかけて、3,500機以上のMi-8MTとその派生型が生産され、各国に輸出されました。

Mi-17の特徴と性能

Mi-17は、主として以下の特性を持つ機体です：

• - 多目的性: Mi-17は、貨物の輸送、医療、空中消火、さらには特殊部隊の作戦支援まで多岐にわたる任務をこなすことができます。
• - エンジン性能: 強化されたTV3-117MT系列のエンジンが搭載され、最高で2,200馬力を発揮。これにより、実用上昇限度や航続距離も向上しました。
• - 搭載能力: 乗員に加え、24名の旅客、あるいは負傷者12人を担架で運ぶことができ、高い積載能力を持っています。

特に高地での性能向上は評価され、アフガン戦争においてその能力は多くのユーザーに支持されました。また、Mi-17の設計は、時代とともにさまざまな更新が行われ、Mi-8MTVやMi-8MTV-5などの派生型が登場しました。

国際的な影響力

Mi-17は、その信頼性と性能から、多くの国々で軍事用として採用されており、特にアフリカや南米のいくつかの国で広く運用されています。さらに、国際的な航空ショーにおいても目立つ存在となり、民間市場においても高い評価を得ています。

まとめ

Mi-17は、数十年にわたって活躍している中型多目的ヘリコプターであり、特徴的な設計と高い運用能力から、多くの国で採用されています。この優れた機体は、引き続き軍事や民間の場面で重要な役割を果たし続けることでしょう。

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