Mi-24 (航空機)

Mi-24攻撃ヘリコプター

Mi-24（ロシア語：Ми-24、NATOコードネーム：ハインド）は、ソビエト連邦が開発した攻撃ヘリコプターである。1978年以降、約2,000機が製造され、これまでに30か国以上に600機以上が輸出された。そのため、Mi-24は世界中で広く知られ、運用され続けている。

概要と開発

Mi-24は、ミル設計局によって開発され、汎用ヘリコプターであるMi-8を基にしている。攻撃ヘリの設計としては異例の大型機であり、強力な武装を持ちながら、歩兵部隊を地上に展開するヘリボーン任務を遂行することが期待されていた。しかし、攻撃と輸送という二つの役割を一つの機体に持たせるため、設計的には妥協が多く、結果的に性能的な問題も抱えた。

そのため、Mi-24の後継機であるMi-28やKa-50/Ka-52は、より専念した対地攻撃能力を備えた機体として設計されている。

1968年から始まったMi-24の設計は、アメリカ軍のAH-1 コブラと競合する形で進められた。最初の量産型であるMi-24Aは1970年に量産が開始され、初期型はさまざまなテストを経た後に改良が施され、Mi-24D、Mi-24Vと進化を遂げた。特にMi-24Pでは、武装の強化が図られた。最終的には1995年に新型のMi-24VMが登場し、多様な夜間作戦にも対応可能となった。

機体構造

Mi-24は、垂直離着陸能力を持ち、２基のターボシャフトエンジンとともに、直径17.3mのメインローターと3枚羽のテイルローターで構成されている。また、NATOが命名したハインドの名にふさわしく、攻撃型ヘリコプターと運搬型ヘリコプターの両方の特性を兼ね備えた設計がなされている。機体には兵員を8名、または最大で1.5tの物資を搭載できる部屋も設けられている。

機体重心が高く、上下に設置されたエンジン配置によって耐弾性も向上。対弾防御においても、Mi-24D以降のモデルでは重装甲化が進められ、チタニウム製のローターは貫通力を大きく削減した。

派生型と武装

Mi-24には多くの派生型が存在する。最初のMi-24Aから、Mi-24DとMi-24Vといった改良型、そしてMi-25やMi-35という輸出向けモデルが存在する。エンジンの向上や武器搭載能力の強化が行われており、Mi-24Pでは固定式30mm機関砲であるGSh-30Kが装備され、武装の選択肢としては対戦車ミサイルやロケットランチャーなど多様にわたる。

性能

新型のMi-24VMの場合、巡航速度は約270km/hで、空対地攻撃を行いつつも優れた機動性能を持ち、限界航続距離は1,000kmに達する。特に、Mi-24の前部から兵員室へのアクセスが容易な設計が施されており、着陸時の迅速な兵員降下が可能である。このように、Mi-24は作戦において柔軟な運用ができるような構造が魅力とされている。

実戦における運用

Mi-24は、1977年から1978年にかけてのオガデン紛争において初めて実戦に投入され、その後、ベトナム戦争やアフガニスタン侵攻など、様々な紛争でその存在感を示した。特にアフガニスタンでは、その圧倒的な火力によって「ハインド」の名が世界中に知られることとなった。一方で、アメリカから供給されたFIM-92 スティンガーによる対抗手段により、多くのMi-24が撃墜された実績もあり、戦場での運用の難しさが露呈した。

現在でも、国際情勢の変化において多くの国がMi-24を運用し続けており、そこには古くからの伝統や新技術の融合が育まれている。特にロシアや中国をはじめ、特殊部隊との連携や多国籍軍での運用などが行われ、その活躍は今後も続くと言える。

結論

Mi-24は、優れた攻撃ヘリコプターとして、攻撃型と運搬型の特性を持つユニークな存在である。その多様な運用と派生型の開発は、摩擦の多い国際情勢において、依然として重要な役割を果たしている。今後も、Mi-24は航空戦力の一端を担う存在として期待される。

もう一度検索