Mi-9 (航空機)

Mi-9（ミル9）

Mi-9（ロシア語：Ми-9、ミー・ヂェーヴャチ）は、ソビエト連邦のM・L・ミーリ記念モスクワ・ヘリコプター工場によって設計された空中指揮通信機です。この機体は、Mi-8の派生型として開発され、NATOのコードネームで「ヒップG」と呼ばれています。

概要

Mi-9は、ソ連軍および空挺軍において、空中指揮通信機能を持つ重要な機体として設計されました。従来のMi-4に基づく空中指揮通信機型があったものの、より優れた性能を持つMi-8Tが主力になったため、同等の機能を備えた新しい機体が求められました。そのため、最初にMi-4の運用経験を活かしてMi-8Tの改良型であるMi-8VKP（空中指揮通信機型）が1970年代初めに製作され、いくつかの機体が製造されました。

量産型としての最初のモデルはMi-8IVと命名され、その後Mi-9に改称されました。1977年に初号機が完成し、Mi-9は戦車部隊や航空師団の指揮機としての役割を果たすために、各種の通信機器を搭載していました。1987年にはMi-9の製造が終了し、その後はMi-8MTを基にした新しいモデルであるMi-19やミサイル師団用のMi-19Rが製造されるようになりました。

性能と主要諸元

• - 機体名：Mi-9
• - 初飛行：1977年
• - 製造期間：1977年 - 1987年
• - 主回転翼直径：21.29m
• - テールローター直径：3.91m
• - 全長：18.424m
• - 全高：4.755m
• - 空虚重量：7100kg
• - 通常離陸重量：11100kg
• - 最大離陸重量：13000kg
• - 燃料積載量：1450+1420kg
• - エンジン：クリーモフTV3-117MTターボシャフトエンジン x 2
• - 出力：1454kWt x 2
• - 超過禁止速度：250 km/h
• - 巡航速度：240 km/h
• - 実用航続距離：950 km
• - 行動半径：495 km
• - 実用上昇限度：5000 m
• - ホバリング上昇限度：1760 m
• - 乗員数：2〜3名
• - 最大搭載人数：乗客20名

運用国

2008年1月時点で、ウクライナの2つの省庁においてMi-9が現役で運用されていることが確認されています。これらの機体は2機あり、その状態は良好と見られています。また、アルメニアも2機のMi-9を保有しており、2024年現在でも現役です。この機体は、ソ連、ウクライナ、アルメニアのほか、ドイツ民主共和国やドイツ連邦共和国でも運用されました。

まとめ

Mi-9は、その優れた性能と長い運用歴から、空中指揮通信機としての役割を果たしてきました。続いて生まれたMi-19などの改良型にバトンを渡しながらも、その重要性は今日に至るまで受け継がれています。

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