MiG-13 (航空機)

MiG-13について

MiG-13（ミグ13）は、ソ連のミコヤーン・グレーヴィチ設計局によって開発された試作戦闘機です。元々はI-250と呼ばれていましたが、後にMiG-13に改名されました。1942年から、ドイツのメッサーシュミットMe262に対抗するための開発が始まりました。

開発の経緯

この戦闘機は、ハルシチョフニコス加速装置（VRDK）という新技術を搭載した混合動力戦闘機として設計されました。ソ連のハイテク開発が進む中で、スホーイ設計局とミコヤン設計局は協力し、1944年2月に本格的な開発を開始しました。

1945年には試作機が初飛行を果たしましたが、同年7月には水平尾翼の損傷による墜落事故が発生しました。その後、垂直尾翼を改修し、5月26日に試作2号機のテストが再開されました。テストでは、レシプロエンジンのみでの最高速度が677km/hに達し、VRDKを使用した場合は825km/hにまで向上しました。ただし、この加速装置は10分間しか稼動できないという制約がありました。

軍の反応と生産

これらのテスト性能を受けて、ソ連軍は当機に50機の発注を決定し、設計局は急いで製造に取り掛かりました。1945年11月7日には航空パレードに向けて9機が完成しましたが、天候不良によりパレードは中止されてしまいました。このため、MiG-13の運用は限られたものとなりました。

その後、ドイツの降伏に伴い、ドイツが保有していたジェットエンジン技術がソ連に流入しました。それを基に開発された戦闘機、例如MiG-9やYak-15の登場により、混合動力戦闘機の必要性は薄れ、結局MiG-13は合計16機の完成にとどまり、生産は中止されました。

配備と性能

完成したMiG-13は、バルチック艦隊と北方艦隊の海軍航空隊に配備されましたが、実戦には投入されず1950年頃に退役しています。実際には作戦任務を果たすことはなかったと伝えられています。

スペック

• - 全長: 8.18 m
• - 全幅: 9.50 m
• - 全高: 3.70 m
• - 翼面積: 15.00 m²
• - 空虚重量: 3,028 kg
• - 最大離陸重量: 3,931 kg
• - 最大速度: 825 km/h
• - エンジン: クリーモフVK-107R液冷V型12気筒1,650 hp 1基
• - ハルシチョフニコス加速装置: VRDKモータージェット推力600 kg 1基
• - 航続距離: 1,818 km
• - 実用上昇限度: 11,900 m
• - 上昇力: 1,086 m/分
• - 武装: ベレージンB-20 20mm機関砲3門
• - 乗員: 1名

このように、MiG-13は時代の変革の中で短い活躍を果たした戦闘機として歴史に名を残しています。

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