MiG-35 (航空機)

MiG-35（ミグ35）についての詳細

MiG-35は、ロシアの航空機メーカーRSK「MiG」によって開発された先進的なマルチロール機で、北大西洋条約機構（NATO）によってはフルクラムF（Fulcrum-F）と呼ばれています。一般的にはスーパーフルクラム（Super Fulcrum）という愛称でも知られています。ロシアでは、この機体は「第4++世代」ジェット戦闘機として位置付けられています。

設計と特徴

この戦闘機は、MiG-29M2を基本にした設計で、機体の外観や仕様には年代によるバリエーションがあります。MiG-35には単座型（MiG-35）と複座型（MiG-35D）が存在し、試作機はMiG-29M2を改造したものです。機体自体はMiG-29M2とほぼ同一ですが、レーダーやセンサーの性能向上が施されています。

搭載されるAESA式レーダー、ジューク-Aは、最大で140km先にある30目標を探知し、同時に6目標を追尾することが可能です。また、赤外線センサーシステムのOLS-UEMに加えて、OLS-35Mという改善型が開発され、2017年に実装が予定されていました。対地・対艦攻撃のためのOLS-Kセンサーが右エンジンナセルに搭載され、特定の目標までの距離を精密に測定し、レーザー誘導兵器の照準を行うことができます。

機体の自己防護システムは、MiG-29Mと同様の構造を持ちつつも、機能が強化されています。その一例として、ミサイル警報装置“SOAR”が装備されており、この装置は多機能ディスプレイに攻撃の兆候を知らせ、音声で警告を行うことができます。これにより、携帯式や空対空のミサイルからの脅威を束ねて察知することができます。

運用と型式

MiG-35にはいくつかの型式が存在し、例えばロシア空軍向けのMiG-35Sや複座型MiG-35UBがこれにあたります。MAKS-2019では、輸出型も披露され、外国の潜在的顧客からの要望に応じた機体の形状やレーダーの更新が行なわれました。この戦闘機は南東アジアやラテンアメリカ、さらにはカザフスタンなどロシアの周辺国に興味を持たれています。

ロシア軍の調達には波があり、2012年には2014年からの37機の調達が計画されていましたが、財政問題や他の機体の納入により計画は延期されました。結局、2019年には最初の6機がロシア航空宇宙軍に納入され、2020年にはさらに14機の契約が計画されています。

仕様概要

基本情報

• - 全長: 17.37 m
• - 全幅: 11.4 m
• - 全高: 4.73 m
• - 翼面積：38 m²
• - 乗員: 1または2名

重量とエンジン

• - 空虚重量: 13,380 kg
• - 通常離陸重量: 17,500 kg（複座は17,780 kg）
• - 最大離陸重量: 29,700 kg
• - 発動機: RD-33MK ターボファンエンジン×2基

性能

• - 最大速度: 高高度でM2.25（約2,400 km/h）、低空で1,450 km/h
• - 航続距離: 通常航続距離2,000 km、戦闘行動半径1,000 km
• - 上昇率: 330 m/s
• - 最大荷重: 9G

MiG-35は多用途性と最新の技術を駆使した設計が特徴であり、ロシアおよびその周辺国の防衛力強化に寄与することが期待されています。

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