MicroStation

MicroStation（マイクロステーション）は、ベントレー・システムズが開発した、2次元および3次元のCAD（コンピュータ支援設計）とBIM（ビルディングインフォメーションモデリング）ソフトウェアです。このソフトウェアは、建築、土木、地図・地形図（GIS・マッピング）、機械、プラントなど、幅広い分野で利用されており、その汎用性の高さが特徴です。

MicroStationは、DGNと呼ばれる独自のファイルフォーマットを採用しています。このフォーマットは、高い精度と詳細な情報を保持できるため、複雑な設計データを扱うのに適しています。

バージョンと関連ソフトウェア

MicroStationには、様々な機能拡張や関連ソフトウェアが存在します。

LumenRT

特に注目すべきは、LumenRT（ルーメンアールティー）です。これは、MicroStation CONNECT Edition Update 7以降に搭載されているリアルタイム可視化ソフトウェアであり、設計データをリアルタイムで高品質にレンダリングすることができます。これにより、設計者は自身の設計が現実世界でどのように見えるかを、迅速かつ正確に把握することができます。

LumenRTの完全版は、単体ソフトウェアとしても販売されています。このソフトウェアは、元々e-on Softwareによって開発されていましたが、2015年にベントレー・システムズがe-on Softwareを買収し、現在はベントレー・システムズが販売を行っています。

買収前は、Sketchup向けの無料版であるVIZ、SketchupおよびArchiCAD向けの制限版であるArchitect、そして様々な形式に対応するStudioやGeoDesignなど、複数のエディションが存在していました。しかし、現在では一つのエディションに統合され、よりシンプルに利用できるようになりました。

LumenRTは、CityEngineとの連携も可能です。これにより、都市スケールのモデリングやシミュレーションを、より効率的に行うことができます。また、キャラクタアニメーションの読み込みにも対応しており、よりリアルなプレゼンテーションを作成することができます。

MicroStationの活用分野

MicroStationは、その高度な機能と柔軟性から、様々な分野で活用されています。

建築分野: 建物の設計、構造設計、設備設計など、建築プロジェクトのあらゆる段階で利用されています。
土木分野: 道路、橋梁、トンネル、ダムなど、インフラストラクチャの設計に不可欠です。
GIS・マッピング分野: 地図データの作成、地形モデリング、空間解析などに利用されています。
機械分野: 機械部品や製品の設計、製造プロセスのシミュレーションなどに利用されています。
プラント分野: 化学プラントや発電所などの設計、運用管理に利用されています。

MicroStationは、これらの分野で、設計の効率化、精度の向上、コミュニケーションの円滑化に貢献しています。CADとBIMの両方の機能を備えているため、設計プロセス全体をカバーできるのが大きな強みです。

まとめ

MicroStationは、ベントレー・システムズが提供する強力なCAD/BIMソフトウェアであり、幅広い分野で利用されています。DGNフォーマットの採用、リアルタイム可視化ソフトLumenRTとの連携、そして多様な機能拡張により、設計者にとって欠かせないツールとなっています。MicroStationは、設計の効率化と精度向上に貢献し、創造的なアイデアを具現化するための強力な基盤を提供します。

外部リンク

ベントレー・システムズ
* 株式会社シスプロ　MicroStation（マイクロステーション）

もう一度検索