Microsoft Data Access Components

Microsoft Data Access Components（MDAC、またはWindows DAC）は、開発者が様々なデータストアにアクセスする際に、統一された方法を提供するマイクロソフトの技術フレームワークです。このフレームワークは、ActiveX Data Objects（ADO）、OLE DB、Open Database Connectivity（ODBC）などの主要なコンポーネントで構成されています。

MDACの初期バージョンには、Microsoft Jet Database Engine、MSDASQL（ODBC用のOLE DBプロバイダー）、Remote Data Services（RDS）などが含まれていましたが、これらの技術は現在では非推奨となっています。また、Data Access Objects（DAO）APIやRemote Data Objects（RDO）といった技術も廃止されました。

MDACの初版は1996年8月にリリースされました。当初、マイクロソフトはMDACをスタンドアロンのプログラムとしてではなく、広範な配布を意図しない概念として捉えていました。しかし、その後、マイクロソフトはMDACのアップグレード版をウェブベースの再配布可能なパッケージとして提供しました。最終的には、MDACはMicrosoft WindowsやInternet Explorerに統合され、MDAC 2.8 SP1以降は再配布可能なパッケージとしての提供は終了しました。

MDACの歴史の中では、いくつかのセキュリティ上の欠陥が報告され、特権昇格攻撃などの攻撃が確認されています。しかし、これらの脆弱性は後のバージョンで迅速に修正されてきました。最新バージョンは2.8サービスパック1ですが、この製品には様々なバージョンが存在し、多くの構成要素が非推奨となり、新しいマイクロソフトの技術に置き換えられています。

Windows Vistaでは、MDACはWindows DACという名称に変更されました。

MDACの主要構成要素

ActiveX Data Objects (ADO): 様々なデータソースへの接続を簡素化するための高レベルのプログラミングインターフェースを提供します。
OLE DB: データストアの種類に関わらず、一貫した方法でデータにアクセスするための低レベルなインターフェースを提供します。
Open Database Connectivity (ODBC): データベース管理システムにアクセスするための標準インターフェースを提供します。

非推奨となったコンポーネント

Microsoft Jet Database Engine: アクセスデータベース（.mdbファイル）の管理に使用されていたデータベースエンジン。
MSDASQL: ODBCデータソースへのOLE DBアクセスを可能にするプロバイダー。
Remote Data Services (RDS): Webアプリケーションからデータにアクセスするための技術。
Data Access Objects (DAO): 初期バージョンのアクセスデータベースにアクセスするためのAPI。
Remote Data Objects (RDO): OracleデータベースなどのリモートデータベースにアクセスするためのAPI。

MDACの進化

MDACは、当初はスタンドアロンの概念でしたが、後にWindowsに統合され、セキュリティの脆弱性への対応や新しいテクノロジーへの適応を経て進化してきました。現在では、その多くの機能が新しいマイクロソフトの技術に置き換えられていますが、MDACの概念はWindows DACとして受け継がれています。

注意点

MDACは歴史的な技術であり、多くのコンポーネントが非推奨となっています。新しいアプリケーション開発では、最新のデータアクセス技術を利用することが推奨されます。

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