Microsoft FrontPage

Microsoft FrontPageとは

Microsoft FrontPageは、かつてマイクロソフトが販売していたWindows向けのWebオーサリングツールです。その起源はVermeer Technologies社が開発・販売していた「Vermeer FrontPage」に遡ります。マイクロソフトによる同社買収後、名称が変更され、様々なWeb技術の要素が追加されました。初期バージョンはWindows NTサーバー版にオプションとして添付されていました。

FrontPageの市場と特徴

プロフェッショナル向けではAdobe Dreamweaver、アマチュア向けではIBMホームページビルダーが市場を席巻しており、FrontPageのユーザー数はそれほど多くありませんでした。しかし、Microsoft Officeシリーズとの共通操作性や連携機能は大きな利点でした。また、強力なリンク管理やレポート作成機能、CSSやXMLへの段階的な対応も評価されていました。

Microsoft FrontPage 2000

Microsoft Officeの最上位エディションである「プレミアム」または「デベロッパー」版、および単体製品として販売されました。FrontPage 98と比較して、スタイルシート対応、ASP、Java、WYSIWYG環境への対応が強化されました。ただし、現行のWindows XP環境では一部不具合が発生する可能性がありました。また、このバージョンから管理画面とエディタ画面が統合され、後述するFrontPage Expressは廃止されました。

Microsoft FrontPage 2002

Microsoft Officeの最上位エディション「デベロッパー」版、期間限定パッケージ、単体パッケージとして販売されました。FrontPage 2000に比べて、フォルダ一覧での管理方法の変更、FTP機能の追加、スタイルシート対応の強化が図られました。ただし、PNG形式の画像ファイルを取り扱えないなどの制約も存在しました。また、Officeファミリーの一員として、家庭内での利用も推奨されました。

Microsoft FrontPage 2003

Microsoft Officeのパッケージには含まれず、単体パッケージとして販売されました。ビジネス利用が推奨され、マイクロソフトによる積極的な販促活動は少なかったため、注目度は高くありませんでした。しかし、機能面では大幅な強化が施され、以下のような機能が追加されました。

ソースコードの不要なタグの自動削除・修正
XMLデータの本格的な取り扱い
Windows SharePoint Serviceとの連携
ダイナミックWebテンプレート
アクセシビリティ確認機能
ビヘイビア、レイヤー機能による自由配置の強化

これらの機能は競合製品にはすでに搭載されていましたが、FrontPageもプロユースに耐えうるレベルまで機能が強化されました。Windows XPと同じく2014年4月8日にサポートが終了しています。

FrontPage Express

Windows 98に搭載されていたFrontPage 98の簡易版です。サイト管理機能が削除されていますが、簡単なWebサイト作成が可能で、無料で利用できることから一定の支持を集めました。ただし、独特のソースコード記述や、他のツールで作成されたファイルを編集する際に不適切な変更を加えるなどの問題点もありました。FrontPage 2000以降はWebサイト作成とサイト管理が統合されたため、FrontPage Expressの配布は終了しました。

後継ツール

後継バージョンとして、Microsoft Office 2007にはMicrosoft SharePoint Designerが搭載され、Webクリエイター向けにはMicrosoft Expression Webが販売されました。

関連情報

オフィススイートの比較
Microsoft Office SharePoint Designer
* Microsoft Expression Web

もう一度検索