Microsoft Visual SourceSafe

Microsoft Visual SourceSafe (VSS)

Microsoft Visual SourceSafe（VSS）は、かつてマイクロソフトによって開発されていたソフトウェア開発向けのバージョン管理システムです。このシステムは、小規模な開発プロジェクトに特に適しており、Visual Studioを使用したアプリケーション開発の際に活用されることが多かったです。

概要

VSSは、主にVisual Studio環境での使用を目的としており、各クライアントはWindowsファイル共有を介してリポジトリファイルを参照・更新する方式を取っています。この方式では、リポジトリのサイズは最大で2GBに制限され、Unicodeに対応していないため、Unicodeで記述されたソースコードを扱う場合にはバイナリファイルとして保存する必要がありました。このため、Visual Studio 2002以降のUnicodeの使用には多くの制約がありました。これにより、更新差分の確認が不可能となり、特に共有ファイル方式によるファイル破損の問題も影響していました。このような欠点から、VSSは時に「ソースシュレッダー」と揶揄されることもありました。

バージョンの変遷

VSS 6.0までは、中央管理サーバーが存在せず、各クライアントがリポジトリへアクセスしていました。しかし、2005年11月にリリースされたVSS 2005では、クライアント/サーバーモードが導入され、Unicodeへの対応やHTTPを介したWebアクセス機能も追加されました。この改善により、複数の拠点での開発が容易になりました。

VSSの開発の始まりはノースカロライナ州のOne Tree Software社によるもので、1994年にマイクロソフトに買収されました。その後、マイクロソフトは独自のソリューションを開発し、VSSの名前でリリースしていきました。初期のリリースでは、DOS、OS/2、Windows、Windows NT、Mac、Unixに対応していましたが、マイクロソフトの買収以降はWindows版に重点が置かれるようになりました。

後続製品

Visual SourceSafeは、2011年末をもって単体ライセンスの提供が終了しました。その後は、VSSが含まれたMSDN Subscriptionの特典として提供されました。日本語版に関しては、2012年にメインストリームサポートが終了し、2017年には延長サポートも終了しました。VSSの後継製品として、Team Foundation Server（TFS）が登場し、従来のソース管理機能に加え、バグ管理や自動ビルドなどの新機能を提供しています。TFSはバージョン管理とバグ管理を密接に関連付けることができ、開発プロセスの効率化に貢献しています。さらに、Microsoft Projectとの連携により、開発タスクとその成果物の管理が簡便になるなど、プロジェクト管理の新たな視点を提供しています。

まとめ

Microsoft Visual SourceSafeは、ソフトウェア開発におけるバージョン管理の歴史において特に重要な製品でした。その利用はにとどまらず、後継製品や新しい技術の進展に影響を与え続けています。

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