Miho's Select

中山美穂のベストアルバム『Miho's Select』：珠玉のバラード集

1991年12月24日、クリスマスイブに発売された中山美穂のベストアルバム『Miho's Select』。このアルバムは、中山美穂自身による選曲で構成された、珠玉のバラード集と言える作品です。当時、オリコンアルバムチャートで初登場1位を獲得し、最終的には30万枚を超えるセールスを記録するなど、大きな人気を博しました。翌1992年には『第6回日本ゴールドディスク大賞』女性アイドル部門賞を受賞するなど、その人気は不動のものとなりました。

アルバムタイトルの『Miho's Select』は、中山美穂のセレクトによるベストアルバムであることを示しています。しかしながら、“select”は動詞であり名詞ではないため、文法的には正しくない表現です。これは、日本語における“セレクト”という語感の良さを重視した、日本語的なタイトルと言えます。帯コピーには「中山美穂のセレクトによるベスト・アルバム　New Versionも入った必聴盤」と記され、その魅力が凝縮されています。

収録されている10曲は、中山美穂の代表的なバラードが中心です。中でも、同年に発売されたヒットシングル「Rosa」（アルバムバージョン）と「遠い街のどこかで…」は、このアルバムの大きな魅力となっています。「遠い街のどこかで…」はシングルバージョンと同じアレンジですが、アルバムバージョンでは、曲の出だしの音量が意図的に下げられ、徐々に音量が上がっていくフェードインが施されているなど、細やかな工夫が凝らされています。

さらに、このアルバムには新録やリアレンジされた楽曲も含まれています。「'91 You're My Only Shinin' Star|You're_My_Only_Shinin'_Star」はエレクトリックギターによる新アレンジで収録され、「SWITCH ON」はシングル「WAKU WAKUさせて|WAKU_WAKUさせて」のカップリング曲「ハートのスイッチを押して」をニューアレンジしたものとなっています。「I Know」はボーカルのみ新録、「花瓶」はニューミックス＆ボーカル新録で収録されるなど、ファンにとって嬉しいサプライズも満載です。

楽曲提供陣も豪華です。角松敏生、筒美京平、松本隆といったそうそうたるメンバーが名を連ねています。また、中山美穂自身の作詞作品も複数収録されており、彼女の音楽性の一端が垣間見えます。中には、中山美穂が過去に使用していたペンネーム、一咲や北山瑞穂名義の作品も含まれています。これらの楽曲を通して、中山美穂の音楽的才能と表現力の豊かさを改めて感じさせてくれる作品となっています。

『Miho's Select』は、単なるベストアルバムにとどまらず、新録やリアレンジ、そしてこだわりのミックスなど、聴きどころ満載の1枚と言えるでしょう。当時を知るファンはもちろん、初めて聴く人にとっても、その魅力は十分に伝わるはずです。バラードを中心に構成されたこのアルバムは、中山美穂の音楽を深く理解する上で、欠かせない作品の一つと言えるでしょう。

2015年には、リマスタリング仕様で廉価盤が発売され、改めてその魅力が再認識されました。この再発盤は、「30th Anniversary Original Album Collection」として、これまでにリリースしたアルバムのうち25作品と同時発売されました。これは、中山美穂の音楽キャリアにおける重要なマイルストーンを象徴する出来事と言えるでしょう。現在でも、このアルバムは多くのファンに愛され続けています。

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