Miiverse

Miiverse（ミーバース）

Miiverseは任天堂が提供していたソーシャル・ネットワーキングサービスで、主にゲームコミュニティを介しての交流を目的としていました。このサービスは、任天堂と株式会社はてなの共同開発により誕生し、ニンテンドーネットワークID（NNID）を基盤としていました。「Miiverse」の名称は、ゲーム内で使われるアバター「Mii」と「Universe」（全世界）という二つの言葉を組み合わせたものであり、まさに全世界のユーザーが集う場所を意図していました。

システムの概要

Miiverseは、各ゲームに特化した多様なコミュニティを設け、プレイヤーや開発者がゲームについての感想や情報を交換できる場を提供していました。ユーザーは擬似キーボードを用いたテキストや、ゲームのスクリーンショット、手書きのメッセージを投稿でき、特にWii U GamePadやニンテンドー3DSのタッチパネルを駆使した投稿が可能でした。特筆すべきは、ゲームを中断している間でも投稿できる点で、多くのユーザーがリアルタイムに意見を共有できる環境が整っていました。

サービス終了前の2017年に、Miiverseは9月よりサービス終了の告知が行われ、11月には完全に閉鎖されました。多くのユーザーが利用していたMiiverseはその終焉が惜しまれました。

対応プラットフォームと機能

Miiverseは、Wii Uのゲームソフトに広く対応し、ニンテンドー3DSやNewニンテンドー3DSも後に対応を果たしました。Wii Uでは「わらわら広場」という機能があり、起動時に人気の投稿がテレビ画面に表示される仕組みがありました。
また、PCやスマートフォンからも閲覧及び投稿が可能でしたが、基本的にNNIDでのログインが必要でした。このため、投稿のためにはゲーム機を所有していることが前提となりました。

ゲームの内容に関する情報を共有するため、Miiverseでは各ソフトごとにコミュニティが存在し、誰でも自由に投稿できることが特長でした。ユーザーは「プレイ日記」や「トピック」を作成し、他のユーザーとの交流を深めることができました。加えて、特定のゲーム内から直接投稿することも可能でした。

利用ガイドラインとコミュニティ運営

Miiverseの運営にはルールが設けられており、違反投稿があった場合には運営者に通報するシステムがありました。違反行為が認定されると、該当する投稿は削除されたり、制限を受けることがありました。2015年には、利用制限を強化し、悪質なユーザーの対策にも取り組みました。

特に、「自分の活動」という機能はゲームに関係のない投稿が増えたため廃止され、また1日の投稿制限が設けられるなど、利用の健全化が図られました。

歴史と展望

Miiverseは、2012年のE3で初めて発表され、2013年にサービスが開始されました。その後、様々な機能追加やプラットフォームに対する対応が進められてきました。しかし、任天堂の次世代機「Nintendo Switch」にはこのシステムが導入されなかったため、Miiverseの終焉がささやかれる要因の一つとなりました。

Miiverseに関連するゲームには、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』があり、サービス中は背景にユーザーが投稿したイラストが使用されるなど、ユーザーのクリエイティビティを反映した存在でもありました。

このように、Miiverseはユーザー同士の交流を促進し、任天堂のゲーム体験をより豊かにするための重要なプラットフォームでしたが、その歴史は短期間で幕を下ろしました。

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