『Mind Shift』は、
Def Techが
2010年10月27日にリリースした4枚目の
アルバム(ミニ・
アルバム仕様)です。解散から3年の時を経て、4年4ヶ月ぶりに発表された作品であり、
Def Techの再始動を告げる重要な一枚となっています。
背景と概要
本作は、当時の音楽業界が抱えていた危機感、特に
着うたサービスの普及や音楽ダウンロード販売の台頭によるCD購入者の減少といった問題に対し、
Def Techなりのメッセージを込めた作品です。少しでも多くのリスナーにCDを購入してもらうため、価格を抑え(9曲入りで税込1,500円)、さらに
YouTubeで楽曲の試聴版(90秒にカット)を公開するという、当時としては革新的な試みを行いました(現在は非公開)。
収録曲について
アルバムには、
Def Techの復活と新たな方向性を示す多彩な楽曲が収録されています。
A-1: 再結成後2日目に完成したという即興アカペラ。Def Techの帰還を高らかに歌い上げ、YouTubeで公開されたPVは、iTunesでアルバムを予約購入した人限定でダウンロード可能でした。
The Come Back:
アルバム発売前日にPVが
YouTubeで公開され、話題を呼びました。
Catch me if you can: 再結成後のDef Techの新たなサウンドを強く打ち出した楽曲。以前とは異なる音楽性が感じられます。
Surfer's Paradise: 都内から湘南、千葉へとサーフィンに向かう情景を描いた、爽やかなナンバーです。
おんがく♬MUSIC: フジテレビ「めざましテレビ」で募集された「めざまし恩楽隊」がコーラスとして参加。楽曲に彩りを添えています。
The Dub Dichotomy: 日本の
政治哲学をテーマにした、メッセージ性の強い楽曲です。
Rays of Light: 「木漏れ日」を意味するこの曲は、Shenの愛娘シエラ誕生がきっかけで生まれました。MicroがShenの妻から子守唄を依頼されたことが、Def Tech再結成の重要な転機になったと言えるでしょう。PVは早稲田奉仕園で撮影されました。
Dream:
Micro自身が「ぼくの一番お気に入りの曲」と語る、思い入れの深い楽曲です。
F.M.B!!: この楽曲のメイキング風景は公式サイトで公開されました。MAYAも参加しています。
まとめ
『Mind Shift』は、Def Techの再出発を飾るだけでなく、音楽業界への問題提起や新たな音楽の可能性を追求した意欲作です。彼らの音楽に対する真摯な姿勢と、常に変化を恐れないチャレンジ精神が凝縮された、聴きごたえのあるアルバムと言えるでしょう。
関連人物・項目
Def Tech
Micro
Shen