Mist (アルバム)

アルバム『Mist』の概要

『Mist』（ミスト）は、シンガーソングライターさだまさしが2007年9月12日にリリースした、通算33枚目のオリジナルアルバムです。このアルバムのタイトルは、9曲目に収録された「霧-ミスト-」に由来しており、さだ自身が現代の日本の状況を「霧の中にある」と例えた意味が込められています。また、同年の9月から翌年にかけて行われたさだまさしのコンサートツアーでも、このタイトルが使用されました。

アルバムの特徴

このアルバムは、さだまさしが50代を迎えた後もコンスタントに音楽をリリースし続ける姿勢を示すものです。初回盤のみがブックレット仕様で販売され、音楽の背景をより深く理解するための情報が提供されています。さらに、これまで自身が演奏してきたヴァイオリンソロは、五十肩の影響で演奏できなくなったため、息子であるヴァイオリニスト・佐田大陸が演奏するという親子共演が実現しました。

収録曲の紹介

51
この曲は前アルバム『美しき日本の面影』のタイトルからインスパイアを受け、日本がアメリカの51番目の州であるかのように嘲笑するメッセージが込められています。この曲では、イチローの背番号51番に触れ、イラク戦争や長崎市政に対する危惧も歌われています。

赤い月
この曲は、テンポが速く、別れをテーマにした短調のメロディーが特徴です。赤い月が登場し、主人公の思いを描いた歌詞は、古典的な万葉集の影響を受けています。

眉山
自身の小説『眉山』が舞台化されたことを受けて作られた楽曲で、歌詞には映画に関する思いが込められています。

白雨（はくう）
失恋の思い出を歌った美しい曲で、時の流れによって思い出が美化されていく様子が描かれています。

窓
矢野真紀のために作詞されたこの作品は、寺岡呼人が作曲を担当しました。

都忘れ
東京にいる相手への思いを歌った手紙のような楽曲です。

桜桜咲くラプソディと賢者の贈り物
これらの曲もアルバムに収録されており、それぞれ異なるテーマを持っています。特に「賢者の贈り物」は、愛を再確認するクリスマスソングです。

霧-ミスト-
アルバムのタイトル曲であり、不安や病気を霧にたとえながら、それでも希望を持ち続ける大切さを歌っています。

かささぎ
この曲は、日本と韓国の恋愛を描いたNHKドラマ『海峡』の主題歌で、明るいメロディーでありながらも切ない思いが伝わります。

参加ミュージシャン

このアルバムには多くの優れたミュージシャンが参加しています。アコースティックギターに石川鷹彦と安田裕美、エレキギターに松原正樹と土方隆行、さらにドラムに島村英二、ベースには岡沢章が参加しています。また、ピアノは倉田信雄が担当し、さらには息子の佐田大陸がヴァイオリンソロを演奏するという新たな試みも盛り込まれています。

以上のように、アルバム『Mist』は、さだまさしが自身の音楽キャリアの中で新たな挑戦を続けた印象的な作品です。その歌詞やメロディには、彼の思いや葛藤が感じられ、リスナーに深い感動を与えています。

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