MobileMe

MobileMeは、Appleが提供していた個人向けの有料クラウドサービスで、後にiCloudへと移行しました。このサービスは、クラウド上にデータを保存し、複数のデバイス間で自動的に同期させるという、現代では当たり前の機能の先駆けとなるものでした。

概要

MobileMeは、オンラインストレージとしてクラウドを提供し、Mac OS X、Windows、iPhone、iPod touch、iPadなど、複数のデバイス間でデータを自動的に同期させる機能を持っていました。ユーザーがどのデバイスでデータを変更しても、他のすべてのデバイスにその変更が反映される仕組みで、Appleはこれを「プッシュ」と表現していました。当初、クラウドデータへのアクセスはSafariとFirefoxのみに限定されていましたが、2010年6月のアップデートでInternet Explorerにも対応しました。

MobileMeのサービスは2012年6月30日に終了しましたが、有料アカウントを持つユーザーは、サービス終了まで追加料金なしで利用できました。既存のユーザーは、2011年10月に開始されたiCloudへ移行することが可能でしたが、この移行サービスもいずれ終了する予定です。

構成（2010年11月時点）

MobileMeは、以下のサービスを提供していました。

メール：IMAP、POP、SMTP、Webメールに対応
連絡先：アドレス帳の共有（一部公開が可能）
カレンダー：スケジュール管理（一部公開が可能）
ギャラリー：写真の公開機能
iDisk：ファイルの保存と共有、ウェブサイトの公開
iPhoneを探す：紛失したiPhoneやiPadの捜索、ロック、遠隔データ消去

このうち、「iPhoneを探す」機能は、iOS 4.2.1以降のiPhone 4、iPod touch（第4世代）、iPadで有料会員でなくても利用可能になりました。

歴史

MobileMeは、その前身となるサービスから以下のような変遷を辿りました。

2000年1月：Macユーザー向けの無料サービス「iTools」（20MB）としてスタート。
2002年7月：有料サービス「.Mac」（100MB）が開始され、同年10月に無料のiToolsは終了。
2004年9月：ストレージ容量が250MB（最大1GB）に増量。
2005年9月：ストレージ容量が1GB（最大4GB）に増量。
2007年8月：ストレージ容量が10GB（最大20GB）に増量、システム拡充。
2008年7月：iPhone 3Gの発売と同時に「MobileMe」に改称し、サービスを拡充。しかし、アクセス障害や同期障害、.Macからのメール移行の不具合が発生し、データ同期のプッシュ機能を一時凍結、無料試用期間を90日間延長しました。
2010年6月：ストレージ容量が20GB（最大60GB）に増量、Webアプリケーションを更新。Internet Explorerにも対応。
2011年2月：パッケージ版の販売を終了。
2011年10月：iCloudサービス開始。
2012年6月30日：MobileMeサービス終了。

関連項目

Mac OS X
iLife
iCal
Microsoft Outlook
* iCloud

外部リンク

MobileMe（日本語版）

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