Mode (鈴木早智子のアルバム)

鈴木早智子のソロ・アルバム『Mode』について

鈴木早智子の初のソロ・ミニ・アルバム『Mode』は、1992年3月25日にポリスターからリリースされました。このアルバムは、彼女がWinkとして活躍していた時期に発表された唯一のソロ作品であり、同年4月にリリースされたWinkの8thアルバム『Each side of screen』や、5月の相田翔子のソロ・アルバム『Delphinium』と合わせて、1992年の初めに3か月連続で登場した最初の一作となります。

アルバムには全6曲が収録されており、すべての歌詞は及川眠子が手がけています。編曲は主に門倉聡が行い、彼はWinkのメインライターとしても知られています。特に注目すべきは、収録曲「不実な仔猫たち」で、これは及川自身の不倫経験を基にした内容となっています。この曲は、アメリカのソープオペラ『Santa Barbara』のテーマ曲「The Hotter The Night」を参考にしたものです。また、もう一つの収録曲「最後の楽園」は、イタリアのアーティストプリマ・ヴェラの楽曲「PLAY TO LOVE」を元にしています。

『Mode』はオリコンの週間ランキングでは17位に入り、約3万7千枚のセールスを記録しましたが、これはその後にリリースされた2作よりも順位と売上の両方で劣る結果となりました。その後鈴木は、Winkの活動休止直前に「La Gioconda」（1996年2月）、そしてさらに2年半後に「INNOCENT SKY〜悲しみも届かないあの空の向こうへ〜」（1998年10月）という2作のソロシングルを発表し、アルバムとしては本作から2003年の『零〜Re-generation〜』まで11年間も新作がリリースされないことになりました。

音楽評論家やメディアのレビューでは、このアルバムについてさまざまな意見が寄せられています。『CDジャーナル』では、「森若香織や赤城忠治を作曲に起用している点に意欲を感じるが、全体としては『WINKのサッちん』の印象が強く物足りなさが残る」との評がありました。また、音楽評論家の能地祐子は『ミュージック・マガジン』において、鈴木と相田のソロ作品を比較し、「サッチンがWinkの獰猛な部分を、ショーコが可愛らしさを表現しているのでは」と述べ、両者の魅力の違いを際立たせています。

収録曲

1. ラスト・ダンスは頬よせて [4:16]
作詞: 及川眠子 / 作曲: 森若香織 / 編曲: 門倉聡
2. 1999年の退屈 [4:05]
作詞: 及川眠子 / 作曲: 赤城忠治 / 編曲: 十川知司
3. ハリウッドな恋にして [3:55]
作詞: 及川眠子 / 作曲: 羽田一郎 / 編曲: 門倉聡
4. 最後の楽園 [4:55]
原作詞・曲: Crivellente, Farina, Bindella / 日本語詞: 及川眠子 / 編曲: 門倉聡
5. TRANSFER [5:08]
作詞: 及川眠子 / 作曲: 工藤崇 / 編曲: 門倉聡
6. 不実な仔猫たち [4:38]
原作詞・曲: Barry Goldberg, Sylvia St. James, Roxanne Seeman / 日本語詞: 及川眠子 / 編曲: 門倉聡

関連作品

• - X-tra: 1996年にリリースされたWinkのベスト・アルバムで、本作からも数曲が収録されています。

『Mode』は鈴木早智子の音楽キャリアにおいて重要な位置を占めており、彼女の独自のパフォーマンススタイルを確立する足がかりとなりました。

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