Monkey's Audio

Monkey's Audio（モンキーズ・オーディオ）は、音声データを劣化させることなく圧縮する可逆圧縮形式の一つであり、そのためのソフトウェアです。拡張子には「.ape」や「.mac」が用いられます。

このフォーマットは、可逆圧縮技術としては比較的古くから存在しており、特に高い圧縮率を誇ることで知られています。これにより、オリジナル音源の品質を維持しながら、ファイルサイズを大幅に小さくすることが可能です。また、Monkey's Audioはフリーウェアとして提供されており、ソースコードが公開されているため、他のアプリケーションからも容易に利用できるSDK（ソフトウェア開発キット）も提供されています。このオープンな性質が、幅広いユーザーに受け入れられている理由の一つです。

公式には、MacやLinuxへの対応は現時点ではありません。しかし、JRiver Media CenterがMacとLinuxの両方で公式にサポートしているため、これらのプラットフォームでもMonkey's Audioを利用できます。

Monkey's Audioでは、キューシートを基に、複数のトラックに分割されたAPE Link files（.apl）を作成する機能も備わっています。これにより、アルバム全体を一つのファイルとして管理しながら、各トラックを個別に再生したり、編集したりすることが可能です。さらに、APE v2タグを用いて、楽曲情報などのメタデータを付加することもできます。

ただし、WAVやFLAC、Appleロスレスといった他の一般的な可逆圧縮フォーマットと比較すると、Monkey's Audioに対応している再生機器は限られています。そのため、現在ではあまり広く利用されることはなく、どちらかというとマイナーな形式となっています。しかし、その高い圧縮率とオープンな性質から、一部のオーディオ愛好家や、特定の用途で利用されています。

Monkey's Audioは、音質を重視しつつ、ファイルサイズを効率的に管理したいユーザーにとって、検討に値するフォーマットです。特に、アーカイブ目的で大量の音声データを扱う場合や、特定の環境でのみ利用する場合などに、その利点を最大限に活かすことができるでしょう。

脚注

JRiver Media Center：Mac・Linuxで利用可能なMonkey's Audio対応メディアプレイヤー

外部リンク

Monkey's Audio - a fast and powerful lossless audio compressor
* ソースコードおよびSDK

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