Mother (テレビドラマ)

ドラマ『Mother』の概要

『Mother』は、2010年4月から6月まで放送された日本のテレビドラマで、日本テレビの水曜ドラマ枠で放送をされました。このドラマは松雪泰子が主演を務め、坂元裕二が脚本を手掛ける完全オリジナルの作品です。物語はネグレクトや母性神話による抑圧といった厳しいテーマを扱った社会派サスペンスであり、家族の絆と虐待が絡み合う複雑な人間関係が描かれています。

テーマと製作の背景

坂元裕二によると、このドラマのテーマは初めから決まっていましたが、ストーリーの中心となるキャラクターの設定に悩んでいました。彼は、長女の奈緒を主軸に据えるか、三姉妹の物語にするかを模索しつつ、各キャラクターのバックストーリーを詳細に構築していました。しかし、プロデューサーとの話し合いを経て、奈緒に焦点を絞る方向に決定され、結果として彼女の物語がメインを占める形となりました。これにより、作品はより強いインパクトを持ち、視聴者の心に深く響く内容に仕上がっています。

海外での展開

『Mother』は日本国内のみならず、海外でも高い評価を得ています。2016年にはトルコで『ANNE』というタイトルでリメイクされ、国民的なヒット作となりました。トルコ国内では視聴率が1位を獲得し、さらに世界35ヶ国に輸出されるなど、その人気は広がりを見せました。これに続き、フランスや韓国、タイランドなどでも独自にリメイクが制作され、各国で高視聴率とドラマ賞を受賞しました。特に2019年には、アジア圏を含む多くの国々で展開される事例が見られ、現代の日本ドラマが持つ国際的な影響力を証明しています。放送12年を経た2022年には、スペイン版が制作され、こちらも大きな反響を呼びました。

エピソードについて

主演の松雪泰子は、12年ぶりの連続ドラマ主演であり、共演の芦田愛菜は本作をきっかけに知名度を大きく上げました。芦田は、オーディション時に規定の年齢に達していなかったため、一度応募を見送られたものの、事務所が推薦したことで出演が決定。役作りに際しては年齢差があるため、設定に変更が加えられました。物語では、鈴原奈緒（松雪）は大学で渡り鳥の研究をしていましたが、教職に就くことになってから、児童虐待を受けている生徒・怜南（芦田）に出会い、彼女の救出を決意します。この流れから、二人は母娘として逃避行を始めます。

あらすじ

物語は、北海道室蘭での鈴原奈緒の日常を描くところから始まります。彼女は児童虐待が疑われる言動をする怜南に対して薄々気づきながらも傍観者でいましたが、ある日、怜南が捨てられているのを発見します。奈緒は彼女を助け、母親の役割を果たそうと決心することになります。

この決意から逃避行が始まり、東京へと向かう中でさまざまな困難に直面します。途中、旧いたちなみの児童養護施設での修羅場や、自身の母親との再会、そして娘として名前を新たに継美と名付ける過程が続き、三人の母としての思いも深まっていきます。在りし日の母親と娘の絆、新たな親子関係の形成といったテーマが織り交ぜられて物語は進んでいきます。

受賞歴

『Mother』は放送終了後も多数の賞を受賞し、特に第65回ザテレビジョンドラマアカデミー賞では最優秀作品賞や脚本賞などを受賞した他、東京ドラマアウォード2010でも優秀賞を獲得しました。シリアスなテーマを描きながらも、感動的な人間ドラマとして多くの視聴者の心をつかむことに成功した作品です。

まとめ

このように、多くの観る人々に衝撃と感動を与えるドラマ『Mother』は、ただのストーリーを超え、親子の絆や社会問題について考えさせられる作品となっています。その影響は日本国内にとどまらず、世界各国に広がることとなり、ドラマのリメイクが次々と制作される現象を引き起こしています。

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