Mother Father Brother Sister

MISIAのデビューアルバム『Mother Father Brother Sister』は、1998年にリリースされ、日本の音楽シーンに大きな衝撃を与えました。ソウル、ゴスペル、コンテンポラリーR&Bといったブラックミュージックの要素をふんだんに取り入れたサウンドは、当時のJ-POPシーンにおいては斬新であり、MISIAの圧倒的な歌唱力と相まって、瞬く間に多くのリスナーを魅了しました。

アルバムには、デビューシングル「つつみ込むように…」のアルバムバージョンや、2ndシングル「陽のあたる場所」とそのカップリング曲などが収録されています。収録曲順にもこだわりが見られ、6曲目と10曲目の冒頭には、前の曲の終わりの部分が数秒間聞こえる仕掛けが施されています。これは、アルバム全体を通して一つの物語を紡ぎ出すような、MISIAの音楽への深い愛情を感じさせる演出と言えるでしょう。

『Mother Father Brother Sister』は、オリコンアルバムチャートに77週にわたってランクインするという驚異的なロングセラーを記録し、最終的には250万枚を超えるセールスを達成しました。その年の第40回日本レコード大賞では、ベストアルバム賞を受賞し、MISIAの音楽が日本の音楽シーンに確固たる地位を築いたことを証明しました。

初回盤は、ジャケットが見える丸い穴が開いた特殊パッケージ仕様となっており、コレクターズアイテムとしても人気があります。2003年には、SA-CDハイブリッド仕様で再リリースされ、より高音質でMISIAの歌声を堪能できるようになりました。

収録曲は以下の通りです。

1. Never gonna cry! strings overture
2. K.I.T
3. 恋する季節
4. I'm over here 〜気づいて〜
5. interlude #1
6. Tell me
7. キスして抱きしめて
8. Cry
9. interlude #2
10. 小さな恋
11. 陽のあたる場所
12. 星の降る丘
13. つつみ込むように… (DAVE“EQ3”DUB MIX)
14. Never gonna cry!/Never gonna cry! (JUNIOR VASQUEZ REMIX RADIO EDITION)

MISIAの歌唱力はもちろんのこと、島野聡、松井寛、鷺巣詩郎といった豪華なアレンジャー陣が参加していることも、本作の魅力の一つです。ブラックミュージックの要素を取り入れつつも、J-POPとしての聴きやすさを兼ね備えたサウンドは、幅広い層のリスナーに受け入れられました。

『Mother Father Brother Sister』は、MISIAの原点であり、90年代R&Bの粋を集めた名盤として、今もなお多くの人々に愛され続けています。MISIAの音楽をまだ聴いたことがないという方は、ぜひこのアルバムから聴いてみることをお勧めします。彼女の圧倒的な歌唱力と、時代を超えて響く音楽の力に、きっと魅了されることでしょう。

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