Motorola Droid

Motorola Droid：先駆的なAndroidスマートフォン

2009年、携帯電話業界に革命を起こす一台が登場しました。Motorola Droidです。アメリカ合衆国の通信機器メーカー、モトローラが開発したこのスマートフォンは、同社初の本格的なフルタッチパネルモデルとして注目を集めました。

ハードウェアとソフトウェア

Droidの最大の特徴は、その洗練されたインターフェースです。3.7インチのフルワイドVGA液晶ディスプレイは、当時のスマートフォンとしては非常に大きく、鮮やかな映像表示を実現していました。さらに、スライド式QWERTYキーボードを搭載していたため、メールやメッセージの入力も快適に行えました。

搭載OSは、Googleが開発したAndroid 2.0。直感的な操作性と豊富なアプリケーションによって、ユーザー体験を大きく向上させました。この組み合わせは、当時としては非常に斬新であり、多くのユーザーを魅了した要因の一つと言えるでしょう。

アメリカでの販売と通信方式

アメリカ合衆国においては、ベライゾン・ワイヤレスがDroidの独占販売権を取得しました。通信方式には、CDMA2000 1x EVDO Rev.Aが採用されており、高速データ通信を可能としていました。ベライゾン・ワイヤレスの広大なネットワークと相まって、Droidはアメリカ市場で大きな成功を収めました。

GSM版：Motorola Milestone

アメリカ以外の世界市場、特に欧州市場では、通信方式をGSMクワッドバンドに変更したMotorola Milestoneとして販売されました。これは、アメリカで販売されたDroidとハードウェアの仕様はほぼ同じながら、通信方式の違いにより、SIMカードの利用が可能になった点が大きな違いです。

Milestoneは、2009年11月9日にドイツ、イタリア、アルゼンチンで発売され、その後イギリス（12月10日）、香港（12月21日）と順次展開されました。ソフトウェアについても、地域特有の調整や最適化が施されています。SIMフリーであることも、ユーザーにとって大きなメリットでした。

DroidとMilestoneの比較

結論

Motorola DroidとMotorola Milestoneは、Androidスマートフォン黎明期における重要なモデルです。フルタッチパネルとQWERTYキーボードの融合、そしてAndroid OSの採用は、後のスマートフォン市場に大きな影響を与えました。アメリカと欧州での販売戦略の違いを見ることで、当時の携帯電話市場の状況や、グローバル展開における機種別戦略の一端を知ることができます。これらの機種は、現代のスマートフォンにつながる歴史的意義を持つデバイスとして、今後も記憶されるべきでしょう。

もう一度検索