Mr.レディMr.マダム2

『Mr.レディMr.マダム2』（原題：La Cage aux Folles II）は、1980年に公開されたフランスとイタリアが共同で制作したコメディ映画です。前作『Mr.レディMr.マダム』（1978年）に続く作品でありながら、オリジナルストーリーで展開されます。監督を務めたのはエドゥアール・モリナロ、主演はミシェル・セローとウーゴ・トニャッツィという豪華な顔ぶれです。

舞台は、華やかなナイトクラブ。主人公は、このクラブの看板スターであるアルバン・ムージェット（ミシェル・セロー）と、クラブの経営者であるレナート・バルディ（ウーゴ・トニャッツィ）という、熟年ゲイカップルの2人です。2人は、何気ない出来事をきっかけに、東側諸国のスパイから命を狙われるという、予期せぬ事態に巻き込まれてしまいます。

映画は、スパイ騒動を軸に、コミカルな展開で物語が進んでいきます。アルバンとレナートのコミカルなやり取りや、個性豊かな登場人物たちの絡み合いが、笑いを誘います。アルバンの華麗なパフォーマンスや、レナートの機転の利いた行動、そして、様々な思惑が交錯する展開は、観客を飽きさせません。

脇を固めるキャストも個性的です。レナートの母親であるバルディ夫人や、2人の世話を焼くオカマの黒人メイド、ジャコブなど、それぞれのキャラクターが物語に彩りを添えています。さらに、諜報局のボスや保守政党の政治家といった、重要な役割を担う登場人物も登場し、物語に緊張感を与えています。

日本での公開時には、豪華な声優陣による吹き替え版も制作されました。アルバン役を金田龍之介さん、レナート役を黒沢良さんが担当するなど、実力派声優たちが集結し、作品の魅力をさらに高めています。

批評家の評価も高く、Rotten Tomatoesでは6件のレビューのうち4件が高評価で、平均点は10点満点中6.3点と、高い評価を得ています。また、ミシェル・セローは、第6回セザール賞で主演男優賞にノミネートされました。

『Mr.レディMr.マダム2』は、前作『Mr.レディMr.マダム』の世界観を受け継ぎつつ、新たなストーリーと魅力的なキャラクターで、コメディ映画として高い完成度を誇る作品です。軽妙なユーモアと、スリリングな展開、そして個性豊かな登場人物たちの織りなす物語は、観る者を最後まで楽しませることでしょう。この作品は、ジャン・ポワレの舞台劇『ラ・カージュ・オ・フォール』を原作とするシリーズの続編であり、その後の『Mr.レディMr.マダム3 ウエディングベル』（1985年）へと繋がっていく重要な作品でもあります。

興味のある方は、ぜひ一度鑑賞してみてください。前作を観てからの方がより楽しめるかもしれませんが、単体でも十分に楽しめる作品です。華やかな舞台、コミカルな展開、そして、予想外の展開に、きっと満足していただけるでしょう。

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