Mr.Boo!インベーダー作戦

『Mr.Boo!インベーダー作戦』（原題：賣身契、英題：The Contract）は、1978年に公開された香港映画で、『Mr.BOO!』シリーズの第2作目にあたります。日本では1979年に公開され、そのコミカルなストーリーとアクションで人気を博しました。

物語の主人公は、テレビタレントのチ・マン（マイケル・ホイ）。彼は香港のテレビ局MTV（マウス・テレビ）と8年間の専属契約を結んでいますが、与えられる役はいつも端役ばかり。バックダンサーや奇術の標的など、目立たない役柄で失敗を繰り返す日々を送っていました。そんなある日、チ・マンはひょんなことからライバル局のCTV（キャット・テレビ）のクイズ番組に司会者として出演し、その才能を開花させます。たちまち人気者となったチ・マンは、CTVから専属契約を持ちかけられますが、MTVとの契約が邪魔をして、移籍することができませんでした。そこで、チ・マンは発明好きの弟チ・リン（リッキー・ホイ）、インド人のマジシャンにこき使われている若手マジシャン（サミュエル・ホイ）と共に、MTVとの契約書を奪還する作戦を計画します。

本作の監督・脚本はマイケル・ホイが務め、製作はレイモンド・チョウ、音楽はサミュエル・ホイが担当しています。キャストには、マイケル・ホイ、リッキー・ホイ、サミュエル・ホイの３兄弟が出演しており、彼らのコミカルな掛け合いが作品の魅力の一つとなっています。

日本では、フジテレビで1982年1月1日に「新春特別ロードショー」として放送され、人気を博しました。この時の吹替版は山田実が翻訳を担当し、2005年に発売された『Mr.BOO ! DVD-BOX』でDVDに初収録されました。その後、2007年には単品廉価版も発売されています。字幕翻訳は吉野芙美が担当しました。

この映画は、テレビ局との専属契約を巡る騒動をコミカルに描いていますが、これは当時の香港のテレビ業界の状況を反映したものでもあります。香港では、ATVとTVBの2局（公開当時は佳藝電視を含めた3局）しかテレビ局がなく、多くの芸能人はどちらかの局と専属契約を結ぶ必要がありました。一度契約を結ぶと、他の局には出演できず、移籍には現在の契約を破棄する必要があり、芸能人にとっては大きな制約となっていました。この映画は、そうしたテレビ業界の裏側を皮肉った風刺的な作品とも言えるでしょう。

また、映画冒頭の歌番組に登場するアフロヘアーの外国人歌手は、サミュエル・ホイ自身が演じています。

なお、日本公開版では、作中のクイズ番組の演出が不謹慎で悪趣味なものとして（参加者の主婦が、愛犬や重病の夫の命を商品目当てに賭ける）、この場面は削除、編集されています。

外部リンク

Mr.Boo!インベーダー作戦 - allcinema
賣身契 - IMDb（英語）

もう一度検索