Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25

Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25：25周年を彩る配信限定ベストアルバム

2017年5月10日、日本の国民的ロックバンド、Mr.Childrenの配信限定ベストアルバム『Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25』がリリースされました。このアルバムは、バンドのメジャーデビュー25周年という節目を記念して制作されたものであり、2003年から2015年にかけて発表された楽曲の中から厳選された全25曲が収録されています。

しかし、このアルバムには収録されていない楽曲も存在します。シングル曲では27thシングル『四次元 Four Dimensions』に収録されている「ヨーイドン」、配信限定シングルとしてリリースされた「かぞえうた」「hypnosis」「REM」「放たれる」は、このベストアルバムには含まれていません。この選曲の意図については公式な説明はありませんが、アルバム全体の構成やテーマとの整合性などを考慮した結果ではないかと推測されます。

特筆すべきは、Mr.Childrenのアルバムとしては初めてとなる配信限定でのリリースという点です。さらに、この作品は『Mr.Children 1992-2002 Thanksgiving 25』と同時発売され、1年間の期間限定配信という、従来の音楽リリースの枠にとらわれない戦略がとられました。配信期間終了後の2018年5月10日には、Mr.Childrenの全楽曲のダウンロード配信とサブスクリプション配信が解禁されるという発表があり、このベストアルバムのリリースは、バンドの音楽配信における新たな転換期を示すものとなりました。

アルバムのアートワークは、森本千絵氏によって手がけられました。デザインは、Mr.Childrenのメジャーデビュー25周年を記念して2017年1月10日に掲載された新聞広告と同じビジュアルを使用しており、「七福神」をモチーフに、過去のアルバムアートワークを立体的にコラージュした、非常に印象的な仕上がりとなっています。このアートワークには、森本氏以外のアーティストの作品も含まれており、使用にあたっては、関係者への丁寧な連絡と許可を得るという、細やかな配慮もなされています。また、メンバー4人の写真は、1stシングル『君がいた夏』のジャケットと同じ構図で撮影されており、バンドの歴史と現在が繋がる、象徴的な一枚となっています。

『Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25』のリリースに伴い、2017年6月10日から9月9日にかけて、9会場15公演の大規模なドーム・スタジアムツアー『Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25』が開催されました。このツアーは、デビュー25周年を記念したものであり、約70万人を動員する大成功を収めました。セットリストは、主にシングル曲で構成され、Mr.Childrenの代表的な楽曲を網羅した内容となっています。ツアータイトルについては、メンバーのコメントから、リスナーや観客への感謝の気持ちを込めたものだったことが伺えます。

ツアーでは、SUNNY氏、山本拓夫氏、icchie氏、チャラン・ポ・ランタンの小春氏といったサポートメンバーに加え、西村浩二氏、四家卯大氏、沖祥子氏も10年ぶりに参加し、11人編成での演奏とパフォーマンスが行われました。ツアー最終日の熊本公演はライブビデオとしてリリースされ、BSスカパー!での特別番組でも一部が放映されました。また、2020年には、公式YouTubeチャンネルでライブ映像が期間限定公開されるなど、様々な形でその記憶が共有され続けています。

商業的な成功も収めました。オリコン週間デジタルアルバムチャートでは初登場2位を獲得し、同時発売された『Mr.Children 1992-2002 Thanksgiving 25』と合わせて1位と2位を独占しました。Billboard JAPANのチャートでも高い順位を獲得し、年間チャートでも上位にランクインしました。配信限定アルバムとしては異例の成功と言えるでしょう。

収録楽曲は、Mr.Childrenの代表曲と言える数々のシングル曲やアルバム曲から構成されており、このアルバムを通じて、2003年から2015年までのMr.Childrenの音楽的進化を改めて確認することができます。それぞれの楽曲には、CMソングや映画主題歌など、様々なタイアップが施されており、その時代背景や社会情勢を感じさせるものとなっています。

『Mr.Children 2003-2015 Thanksgiving 25』は、単なるベストアルバムという枠を超え、Mr.Childrenの25周年を象徴する作品であり、音楽史に刻まれる重要なリリースとなりました。その成功は、バンドの音楽性、そしてリスナーへの感謝の気持ち、そして革新的な音楽配信戦略の三位一体によるものと言えるでしょう。

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