Mr.FanTastiC(ミスターファンタスティック)
日本の
音楽シーンで独自の存在感を放つロックバンド、Mr.FanTastiCは、2018年にその活動を開始しました。ボーカルの
メガテラ・ゼロを中心に、結成当初はギタリストの
ナナホシ管弦楽団、同じくギタリストのつっくん、そしてドラマーのふじゃんという4人組でスタートを切りました。バンド名は、メンバーが敬愛するアーティストであるMR.BIGに由来しており、「MR.BIGを超える存在になる」という高い志が込められています。ファンからは親しみを込めて「ミスファン」あるいは「MFTC」といった略称で呼ばれています。
活動の第一歩として、2018年6月26日にバンドの始動を宣言し、その直後に最初のミュージックビデオとなる「ベストアンサー」を公開しました。この初期衝動とも言える活動は、同年
9月26日に東京・TSUTAYA O-EASTで初めてのワンマンライブを成功させ、自主制作アルバム『START DASH』をリリースするに至ります。その後は、主に
音楽活動の拠点を関西に置き、ライブパフォーマンスを通してファンベースを拡大していきました。
結成からちょうど1年が経過した2019年6月19日、Mr.FanTastiCは
ポニーキャニオンからメジャーデビューを果たします。メジャー第一弾として、アルバム『START DASH TURBO』と1stシングル『絶走』が同時に世に送り出されました。このメジャー契約期間中には、合計で1枚のアルバム、4枚のシングル、そして7曲のダウンロードシングルを発表し、作品の幅を広げました。また、2019年10月から11月にかけては、初の全国ワンマンツアー「今宵も飲みましょ乾杯ツアー」を開催し、各地のファンにその
音楽を届けました。
バンドにとって大きな転換期となったのは、2021年7月28日のことです。ギタリストである
ナナホシ管弦楽団がクリエイターとしての活動に専念するためバンドからの脱退を発表し、Mr.FanTastiCは3人体制へと移行しました。同時に、所属レコード会社を
ポニーキャニオンから
フォーライフミュージックエンタテイメントへ移籍することも明らかにし、新たな章の始まりを告げました。
フォーライフミュージックエンタテイメントへの移籍後、バンドは再び精力的なリリース活動を展開します。2021年10月には移籍後初の配信シングル「ブレイキングブレイジング」を発表して以降、コンスタントにデジタルシングルをリリース。2022年5月にはアルバム『朝昼晩』を、2023年3月にはデジタルEP『II』を発表するなど、積極的に作品を世に送り出しました。ライブ活動も継続しており、約3年ぶりとなるワンマンライブ「NEW WORLD」を2022年
9月に開催するなど、ファンとの交流を深めています。
2025年には、バンドの今後に関する重要な発表がありました。5月24日に、6月20日の
LIQUIDROOMでのライブをもって解散することが告知されたのです。しかし、その後の6月14日になって、この解散ライブが中止となることが発表され、バンドの将来について再び注目が集まることとなりました。
現在のメンバーは、圧倒的な歌唱力を持つボーカルの
メガテラ・ゼロ、緻密かつダイナミックなギタープレイの
つっくん、そしてパワフルなドラミングでバンドを支える
ふじゃんの3名です。旧メンバーとして、結成当初のギタリストであった
ナナホシ管弦楽団がいます。また、ライブ時にはサポートベーシストとして
ろまん西野が参加し、バンドサウンドに厚みを加えています。
これまでにMr.FanTastiCは、自主制作アルバム1枚、メジャーアルバム1枚、複数のシングルやデジタルシングル、デジタルEPなど、多様な形態で作品を発表してきました。アニメやゲームなどのタイアップ楽曲も手掛けており、幅広い層にその
音楽が届けられています。
Mr.FanTastiCは、結成から現在に至るまで、メンバーの変遷や所属レーベルの移籍、さらには解散発表と撤回といった波乱を経験しながらも、その
音楽活動を続けています。今後の彼らがどのような道を歩むのか、その動向が注目されています。