MudBox

Mudbox：直感的な3Dスカルプティングツール

Mudboxは、オートデスクによって開発された3Dスカルプティングおよびペインティングソフトウェアです。その最大の特徴は、まるで粘土をこねるように、ペイント感覚で直感的に3Dモデルを作成できる点にあります。この直感的な操作性は、従来の3Dモデリングソフトウェアとは一線を画し、よりクリエイティブな表現を可能にしました。

映画制作での活用

Mudboxは、ニュージーランドの映像制作スタジオWETAデジタルによって制作環境に導入され、2005年公開の映画『キング・コング』の制作に活用されました。WETAデジタルは、映画『ロード・オブ・ザ・リング』では、同様の機能を持つZBrushを使用していましたが、Mudboxの導入は、その後の映画制作における3Dモデリングの可能性を広げました。

高度なモデリング機能

Mudboxは、一般ユーザーが購入可能な性能のPC上でも、1000万ポリゴン以上の高精度モデルを制作することが可能です。これは、CPU Athlon 64 X2 6000+、メモリ2GBといったスペックで実現されており、将来の3D制作の効率化に十分貢献できると期待されています。

開発の経緯

Mudboxは、2006年12月に製品版1.0が発売される以前は、ベータ版が提供されていました。ベータ版は公式サイトでの登録が必要でしたが、Skymatterがフィードバック開発に貢献できると判断したデザイナーやスタジオにのみ提供されていました。ベータ版の利用を通じて、必要な機能の要望をフィードバックしながら開発が進められました。また、公式サイトは、製品版発表前にクラッキングされ、一時的に閉鎖されるという出来事もありました。

オートデスクによる買収

2007年8月6日、オートデスクはMudboxの開発元であるSkymatterを買収しました。その後、オートデスクからMudbox 2009が発売され、ソフトウェアの開発はさらに進められました。

Mudboxの特徴

レイヤー構造: Mudboxは、オブジェクトの細分化情報をレイヤーとして保持し、合成することができます。これにより、複雑なモデルの作成や編集が容易になります。

Mudboxの課題点

UV編集機能の欠如: ZBrushと同様に、MudboxにはUV編集機能がありません。そのため、テクスチャマッピングには外部のソフトウェアが必要になります。
三角ポリゴン: モデル内に一つでも三角ポリゴンが混入すると、その後の細分化処理でモデル全体が三角ポリゴン化してしまいます。
ポリゴン編集機能: 従来の3Dソフトウェアのようなポリゴン編集機能は搭載されていません。
ベータ版の制限: ベータ版では、マテリアルへのテクスチャ割り当てができないため、モデリングに特化したソフトウェアという位置づけでした。
グラフィックカードとの相性: グラフィックカードとの相性がシビアで、使用するPC環境によっては、モデルが黒く表示され、作業が困難になることがあります。特にZBrushよりも相性がシビアなため、購入前に体験版で動作確認を行うか、動作保証されたグラフィックカードの導入を検討する必要があります。

外部リンク

Mudbox3d.com
Mudbox Forums

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